節電どこから何をすればいい?

2012年07月23日 17:00
丸山 晴美
消費生活アドバイザー

(編集部注)アゴラ研究所の提携するIEEI のサイトから消費生活アドバイザーの丸山晴美さんの論考を紹介します。(IEEI版

みなさんこんにちは。消費生活アドバイザーの丸山晴美です。これから、省エネやエコライフなど生活に密着した役立つお話をご紹介できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

第1回目は、夏の節電について何をすべきかをご紹介します。

昨年の東京電力や東北電力管轄のエリアで15%の節電要請でしたが、今年はこのエリアでは節電要請が特に定められてはいません。今年は、関西や九州など昨年は節電要請が無かったエリアでの節電要請となっています。


7月9日に大飯原子力発電所3号機がフル稼働したことにより、関西電力管轄の節電目標値が15%から10%へ引き下げられました。

これを踏まえて、いつ、どんな節電をするのが効果的かをご紹介します。

節電はいつすればよいのか?

夏の電力不足時の節電ポイントは「ピーク時間帯の電気の利用を減らす」ことです。このピーク時間帯というは、1日でもっとも電力需要が大きくなる時間帯です。平日の午前9時~午後8時までが電力不足が予想される時間帯で、その中でも午後1時~4時のピーク時間帯が深刻な電力不足が懸念される時間帯ですので、日中の節電が大切ということになります。

ではどんな節電をすればよいのか?

図をご覧になっていただけると一目瞭然なのですが、在宅時の14時頃のピークタイム時の電力使用の58%がエアコンです。

待機電力をカットするなど細かい節電も大切ですが、まずは大きいところから節電することが効率的でしょう。


エアコンの設定温度を28度以上に設定にするということは、もはや常識となりつつありますが、暑すぎると感じる人もいるかと思います。冷房の設定温度を27℃から28℃に上げると、1日9時間あたり0.27kWhの節電、約6円の節約になります。

※省エネルギーセンター家庭の省エネ大事典2012より試算

効率的にエアコンを使うポイントは、「遮熱」、「循環」、「除湿」です。

「遮熱」のポイントは窓

夏場は窓ガラス(一枚ガラス)から約78%もの熱が入ってくるというデータがありますので、窓に日陰を作るといった遮熱対策をするのが効果的です。


例えば、朝顔やゴーヤで作る緑のカーテンもおすすめですが、それができない場合は遮光ネットや遮光カーテンを利用するといった方法が考えられます。最近ではレースのカーテンでも遮光ができるカーテンが売られていますので、昼間に部屋を暗くすることなく遮熱することができます。特に、強い西日の当たる部屋の窓はしっかり遮熱対策をしましょう。ここをしっかりやらないと、冷房を付けていても涼しくならない原因になります。また、日中は東や北といった比較的陽が入らない部屋で過ごすことも効果的でしょう。

「循環」のポイントは下に溜まった冷気

そしてエアコンを使う際は扇風機やサーキュレーターを併用すると、部屋全体と効率的に冷やすことができます。これは、冷房で冷やされた空気が下に溜まるため、扇風機の頭を下に向けて首振り運転をすると下に貯まった空気が循環されます。そしてその風が身体に当たることで、涼しく感じることができます。


冷房26度運転と28度運転に扇風機を併用した場合、約22%の節電効果があるとも言われています。

「湿度」のポイントは除湿

そして「湿度」です。湿度が高いと体感温度も上昇します。除湿をすると同じ温度でも体感温度が違います。湿度が15%下がると体感温度が1度下がると言うデータもあるくらいです。日本の夏は湿度が高くなりますので、温度だけではなく、湿度のコントロールが特に効果的なのです。

除湿でおすすめなのが、エアコンの「弱冷房除湿」機能の利用です。これは除湿をする際に冷やしながら空気中の湿気を取るため、その際に冷えた空気が放出される仕組みです。冷房運転に比べて使用電力が少ないのです。蒸し暑い日は、「弱冷房除湿」を上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。


ここで注意が必要なのですが、除湿方式には2種類あり、「弱冷房除湿」の他に「再熱除湿」があります。こちらは除湿時に出る冷気を温めるので、冷房運転よりも電力が大きくなってしまうので、注意が必要です。この除湿方式は、取扱説明書に記載されていますのでお使いになっているもので確認してから使うようにしましょう。また、ポーダブル除湿器は本体から排熱するので、涼しさという点では期待できません。

また、写真のように2リットルのペットボトルに水を8分目ほど入れて凍らせたものをお皿の上に置いてから、扇風機の前に置いて風を当てると、昔なつかし?氷柱の現代版の完成です。


ペットボトルの下にお皿を敷くのは、ペットボトルの外側に水が付いてくるためです。これは、ペットボトルの中の水が出てきているのではなく、空気中の湿気が水になったものです。弱冷房除湿の仕組みに似ていますね。これは簡易版除湿器?とも言えるのではないかと思います。一人で狭い範囲を冷やすにはこれで問題無いと思います。

我慢のしすぎは、熱中症のリスクを高めます。無理をせず上手にエアコンを使ってこの夏を乗り切りましょう。

丸山晴美さんのプロフィール
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー、エコ検定合格、家庭の省エネエキスパート検定合格、調理師、ジュニア食育マイスターなどの資格を持ち、「節約生活を明るく楽しく賢くバランス良く」をモットーに身の回りの節約術や、食費の節約はもとより、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌等で活動中。
(公式HP

(2012年7月23日掲載)

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