今週のアップデート - 福島にリスクはあるのか?1mSvの意味(2015年2月9日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
川合将義高エネルギー加速器研究機構名誉教授に寄稿をいただきました。川合さんら原子力研究者の有志は、福島原発事故から、福島に入って知識を提供しています。1mSvの意味についての資料の紹介です。
元日本原電勤務で、福島原発事故では被災者になった北村俊郎さんの寄稿です。福島の状況で。帰還が遅れ、復興が進みません。それを住民目線で紹介しています。
今週のリンク
ITメディア2月3日記事。総合資源エネルギー調査会で2030年の最適な電源構成(エネルギーミックス)を決める有識者会合が30日に始まりました。(経産省は2月8日時点、議事録公開せず)昨年決まったエネルギー基本計画、さらに温暖化をめぐる国際交渉での主張のためです。しかし、原発稼働の見通しがつかない中で意味があるか疑問です。
日本経済新聞2月8日社説。16年以上止まったもんじゅについて、もう後がないと認識すべきと、文科省、日本原子力研究開発機構に訴える社説です。
政策家の石川和男氏の1月15日付コラム。ガス改革について、小売り自由化と都市ガスの導管分離が検討されているものの、調整ができずに、自由化については結論を示しませんでした。内閣法制局との調整が行いきれなかったためです。その問題を取り上げています。
経済産業省。1月30日公開資料。ガスシステム改革のとりまとめですが、経産省が中身を詰め切れない異例の答申になりました。
5)「発送電分離」実施は20年 政府・与党が最終調整 大手電力に配慮
産経ビズ2月5日記事。大手電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」の実施時期は2020年とする方向で政府・自民党は最終的な調整に入ったもよう。従来は「18~20年をめど」としていたが、最も遅い時期になります。

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福島県で被災した北村俊郎氏は、関係者向けに被災地をめぐる問題をエッセイにしている。そのうち3月に公開された「東電宝くじ」「放射能より生活ごみ」の二編を紹介する。補償と除染の問題を現地の人の声から考えたい。現在の被災者対策は、意義あるものになっているのだろうか。以下本文。
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福島原発事故の発生後、放射線被曝に対する関心が急速に高まった。原発事故による被曝被害は絶対に防がねばならないが、一方では過剰な報道により必要以上に一般市民を恐怖に陥れていることも事実である。
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おそらくGEPR読者の方の多くは、福島第一原発事故による放射線被害はほぼ無いものと理解され、心配もしていないことだろう。しかしながら、社会の一部にまだ心配が残るようだ。事故からもう2年近くになる。さまざまな方が、不安を払拭するための努力を行っている。この原稿でもその試みを行いたい。
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近代生物学の知見と矛盾するこの基準は、生物学的損傷は蓄積し、修正も保護もされず、どのような量、それが少量であっても放射線被曝は危険である、と仮定する。この考えは冷戦時代からの核による大虐殺の脅威という政治的緊急事態に対応したもので、懐柔政策の一つであって一般市民を安心させるための、科学的に論証可能ないかなる危険とも無関係なものである。国家の安全基準は国際委員会の勧告とその他の更なる審議に基づいている。これらの安全基準の有害な影響は、主にチェルノブイリと福島のいくつかの例で明らかである。
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【記事のポイント】1・現実的な目標値として、中西氏は除染目標を、年5mSvと提案した。2・当初計画でも一人当たり5000万円かかる。コスパが良くない。さらに年1mSvまで下げるとなると、その費用は相当高くなるだけでなく、技術的限界を超える。3・日本政府の示す被ばく線量は、実際よりも高く計測されている。
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福島第一原子力発電所の処理水を海洋放出することについて、マスコミがリスクを過大に宣伝して反対を煽っているが、冷静に考えてみれば、この海洋放出は実質無害であることが分かる。 例えば、中国産の海産物を例にとってみてみよう。
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福島第一原発の処理水問題が、今月中にようやく海洋放出で決着する見通しになった。これは科学的には自明で、少なくとも4年前には答が出ていた。「あとは首相の決断だけだ」といわれながら、結局、安倍首相は決断できなかった。それはな
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地球が将来100億人以上の人の住まいとなるならば、私たちが環境を扱う方法は著しく変わらなければならない。少なくとも有権者の一部でも基礎的な科学を知るように教育が適切に改善されない限り、「社会で何が行われるべきか」とか、「どのようにそれをすべきか」などが分からない。これは単に興味が持たれる科学を、メディアを通して広めるということではなく、私たちが自らの財政や家計を審査する際と同様に、正しい数値と自信を持って基礎教育を築く必要がある。
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