G7の強制労働排除で太陽光ショックが勃発する
G7貿易相会合が開かれて、サプライチェーンから強制労働を排除する声明が発表された。名指しはしていないが、中国のウイグル新疆自治区における強制労働などを念頭に置いたものだとメディアは報じている。


ところで、これらの国内の報道では何故か書いていないが、声明を読むと、太陽光発電は農産物、衣料品と並んで、名指しになっている。

おおむね、世界の太陽光発電の8割は中国製であり、半分は新疆ウイグル自治区で生産されていることは以前に述べた(図)。残念ながら、太陽光発電の現状は、屋根の上のジェノサイドと呼ぶべきおぞましい状況にある。

図 結晶シリコンの世界市場シェア。ヘレナ・ケネディーセンター報告による
今後は、新疆ウイグル自治区からの巨大な太陽光パネルの供給が消滅するのだろうか? だとすると、価格は暴騰して、かつての石油ショックならぬ、太陽光ショックが起きるのだろうか。

HadelProductions/iStock
さて日本では、菅政権時に検討されたエネルギー基本計画が岸田政権によって閣議決定され、再生可能エネルギーは最優先で大量導入されることになった。この方針は、イギリスで月末から開催される国連の気候会議でも発表され、国際公約のような扱いになるであろう。
でも、いったいどうやって、それを強制労働排除と両立するのか。これまで、エネルギー基本計画では、まともな議論は全くなされていない。
■
関連記事
-
IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 地球温暖化が起きると、海水が熱膨張し、また氷河や南極・グ
-
4月の日米首脳会談では、炭素税(カーボンプライシング)がテーマになるといわれています。EU(ヨーロッパ連合)は今年前半にも国境炭素税を打ち出す方針で、アメリカのバイデン政権も、4月の気候変動サミットで炭素税を打ち出す可能
-
トランプ政権のエネルギー温暖化対策やパリ協定への対応に関し、本欄で何度か取り上げてきたが[注1]、本稿では今年に入ってからのトランプ政権の幹部人事の影響について考えて見たい。 昨年半ば、米国がパリ協定に残留するか否かが大
-
米国バイデン政権は24日、ウイグルでの強制労働に関与した制裁として、中国企業5社の製品の輸入を禁止すると発表した(ホワイトハウス発表)。 対象となったのは、 (A)Hoshine Silicon Industry (Sh
-
2022年11月にChatGPTが発表されてから2年と数か月、この間に生成AIはさらに発展し続けている。生成AIの登場で、Microsoft、Google、Amazon、Metaなどの大手テック企業が、2022~2023
-
オーストラリア海洋科学研究所が発表した、グレートバリアリーフのサンゴの被覆面積に関する最新の統計は、グレートバリアリーフの滅亡が間近に迫っているという、60年にわたる欠陥だらけの予測に終止符を打つものだ ピーター・リッド
-
2022年の世界のエネルギー市場はウクライナ戦争に席巻された。ウクライナ戦争の出口が見えない状況下で、2023年10月にはイスラム組織ハマスがイスラエルへの越境攻撃を行った。イスラエルがハマス、およびその背後にいると言わ
-
「それで寿命は何秒縮む」すばる舎1400円+税 私は、2011年の東京電力福島第1原発事故の後で、災害以降、6年近く福島県内だけでなく西は京都、東は岩手まで出向き、小学1年生から80歳前後のお年寄まで、放射線のリスクを説
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間

















