今週のアップデート — 放射能のリスクを見つめ、復興を考える(2012年4月16日)
今週のコラム・記事
1)福島第一原発事故によって、放射性物質が東日本に拡散しました。これに多くの人が懸念を抱いています。放射性物質には発がんリスクがあり、警戒が必要です。
しかし、それによって生じる放射線量の増加は現在観察する限り、健康への悪影響が限定的であることも分かっています。GEPR編集部はコラム「放射能のリスクを生活の中のリスクと比較する」「関連図表」を提供します。
仮に100ミリシーベルトの被曝をした場合に想定される健康被害と、喫煙や食習慣など他の健康被害と比較したものです。こうした比較の中で、対策を考えるべきではないでしょうか。またリスクの「見える化」は恐怖心を取り除く効果があります。
2)GEPRを運営するアゴラ研究所は「ニコ生アゴラ」という番組をウェブテレビの「ニコニコ生放送」で月に1回提供しています。GEPR編集部は4月10日の放送を記事化したニコ生アゴラ「「汚染がれき」を受け入れろ!― 放射能に怯える政治とメディア」報告 −「国の遅い行動が被災地を苦しめる」を提供します。
村井嘉浩宮城県知事(映像出演)、片山さつき自民党参議院議員、澤昭裕国際環境経済研究所長、高妻孝光茨城大学教授が出演し、司会はアゴラ研究所の池田信夫所長が務めました。被災地復興の大きな足かせとなっているがれきの受け入れと処理、そして福島原発事故で広がった放射性物質の除染についての議論を提供します。
3)GEPRはNPO法人の国際環境経済研究所と提携し、コンテンツを共有します。富士常葉大学総合経営学部教授の山本隆三氏の「電力供給・温暖化のトンデモ本に要注意!—データや理論をきちんと判断する姿勢が必要に」を提供します。
今週のニュース
現在は日本の原発54基のうち1基しか稼動していません。政府が福島原発事故を受けて原発の安全検査を実施したためです。政府は関西電力の大飯原発の再稼動を認め、西川一誠福井県知事に14日正式に要請しました。しかし知事は即断していません。読売新聞記事
今週のリポート
原子力発電所に関する四大臣会合(第6回)終了後枝野経済産業大臣記者会見配布資料(4月13日) 大飯原発の安全対策と検査について、説明をしています。
![This page as PDF](https://www.gepr.org/wp-content/plugins/wp-mpdf/pdf.png)
関連記事
-
鈴木達治郎 猿田佐世 [編] 岩波ブックレット 岩波書店/520円(本体) 「なぜ日本は使いもしないプルトニウムをため続けるのか」。 米国のエネルギー政策、原子力関係者に話を聞くと、この質問を筆者らは頻繁に受けるという。
-
過去10年のエネルギー政策においては、京都議定書のエネルギー起源CO2排出削減の約束水準が大前提の数量制約として君臨してきたと言える。当該約束水準の下では、エネルギー政策の選択肢は「負担の大きい省エネ・新エネ」か「リスクのある原子力発電」か「海外排出権購入」かという3択であった。
-
オーストラリア戦略政策研究所(Australian Strategic Policy Institute, ASPI)の報告「重要技術競争をリードするのは誰か(Who is leading the critical te
-
東日本大震災から間もなく1年が経過しようとしています。少しずつ、日本は震災、福島第一原発事故の状況から立ち直っています。
-
関西電力大飯原発をはじめとして、各地の原発の再稼働をめぐって混乱が続いている。政府は再稼働を進めようとするが、地元の首長や住民の反対によって実現は不透明なままだ。そして5月5日に日本の全原発が停止した。
-
米国の元下院議長であった保守党の大物ギングリッチ議員が身の毛がよだつ不吉な予言をしている。 ロシアがウクライナへの侵略を強めているのは「第二次世界大戦後の体制の終わり」を意味し、我々はさらに「暴力的な世界」に住むことにな
-
カナダが熱波に見舞われていて、熱海では豪雨で土砂災害が起きた。さっそく地球温暖化のせいにするコメンテーターや自称有識者が溢れている。 けれども地球の気温はだいだい20年前の水準に戻ったままだ。 図は人工衛星による地球の大
-
小泉元首相を見学後に脱原発に踏み切らせたことで注目されているフィンランドの高レベル核廃棄物の最終処分地であるONKALO(オンカロ)。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間