今週のアップデート - 再稼動目指す川内原発(2015年4月6日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
東工大の澤田哲生氏が、現在停止中の原発の中で最も早く再稼動すると見込まれる九州電力川内原発を視察しました。この原発の報道や情報は、技術的視点が皆無のものが多いです。このために、ここで示された原子炉工学の専門家の視点は貴重です。そこから見ると、不必要な大工事が行われているそうです。
アゴラ研究所の池田信夫所長の論考です。原子力規制委員会が、日本原電敦賀2号機の下に活断層がある可能性という報告書を受理しました。敦賀2号機はこのまま廃炉に追い込まれそうな状況です。この問題をナチス・ドイツに見られた行政の暴走と同視した、興味深い視点の議論です。
3) 2030年EUエネルギー気候変動パッケージ(その1)― 続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
4) 2030年EUエネルギー気候変動パッケージ(その2)― 続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
経産省で気候変動交渉にかかわり、現在はジェトロロンドン事務所長の有馬純氏の論考です。提携する国際環境経済研究所(IEEI)から転載させていただきました。分かりやすいEUの気候変動政策のまとめ。東欧の発言権が強まり、かつてのように削減を決める統一的なパッケージは難しい状況のようです。
今週のリンク
吉崎達彦双日総研副所長。産経新聞「正論」4月1日寄稿。電力・エネルギー政策の混乱を、90年代の金融改革で起こった混乱との類似を指摘しながら、冷静な議論を呼びかけています。当時も世論が、「金融叩き」に流れたのですが、それが政策の盲点をつくったと分析しています。
2)平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書
環境省15年4月3日公表。「再生エネの導入、2030年に4倍可能 全発電量の35% 環境省試算」(朝日新聞記事)。再エネ導入を最大限見積もったかなり楽観的な予測です。審議内容を政府が隠したと河野太郎自民党衆議院議員などが騒ぎましたが、それほど論争を呼ぶ情報ではありません。
3)電源構成のあり方について・エネルギーミックス小委員会議事録
経産省・資源エネルギー庁。長期エネルギー需給見通し小委員会(エネルギーミックス小委員会)3月30日会議議事録。6月までに議論をまとめるエネルギーミックスで、6割を原子力・水力・石炭火力などの「ベースロード電源」にするという案が浮上。解説記事、産経新聞3月30日記事「「原発・水力・石炭火力で発電量の6割超を」 経産省の有識者会議」。これは原子力の比率をわかりにくくするための、一種のごまかしでしょう。
地球環境産業技術研究機構。3月31日公表。政府が示すであろう、再エネ25%、原子力20%の電源比率を採用した場合に、30年に温室効果ガスの排出比が05年比で9%減るとの試算をまとめました。人口減少と経済の低成長が、効いてきます。
日本経済新聞4月1日記事。四国電力伊方原発(愛媛県)が安全審査合格の見込みとなりました。しかし、審査合格に先行した川内原発では、合格後1年以上経過しても再稼動ができない。ここも時間がかかりそうだ。

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電力中央研究所の朝野賢司主任研究員の寄稿です。福島原発事故後の再生可能エネルギーの支援の追加費用総額は、年2800億円の巨額になりました。再エネの支援対策である固定価格買取制度(FIT)が始まったためです。この補助総額は10年の5倍ですが、再エネの導入量は倍増しただけです。この負担が正当なものか、検証が必要です。
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「GEPR」を運営するアゴラ研究所は、インターネット放送「言論アリーナ」を提供しています。9月3日は1時間にわたって「地球は本当に温暖化しているのか--IPCC、ポスト京都を考える」(YouTube)を放送しました。その報告記事を提供します。
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