グレートバリアリーフに気候危機など起きていない

2024年03月18日 06:50
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

Niklas Flindt/iStock

オーストラリア環境財団(AEF)は、”グレートバリアリーフの現状レポート2024(State of the Great Barrier Reef 2024 )”を発表した(報告書プレスリリース)。

ピーター・リッド会長は、サンゴ礁の面積は記録的な高水準で、素晴らしい状態にあることをこの報告書は示している、と述べた。

「地球温暖化によって白化が起きて大災害になる」という言説にもかかわらず、過去10年間にわたり、白化の影響を最も受けやすい種(板状サンゴとクワガタサンゴ)は、その数を爆発的に増やしてきた。嘆かわしいことに、白化の影響は、メディアや一部の科学団体によって日常的に誇張されている。

リーフにおける養殖場汚染の影響はごくわずかで、3,000のサンゴ礁すべてが素晴らしいサンゴを保っている。現代において、これほど変化が少ないオーストラリアの生態系は他にない。

図 グレートバリアリーフにおけるサンゴ礁の被覆度。
2023年は前年に続いて歴史的高水準にある。

This page as PDF
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

関連記事

  • ANNニュースから
    はじめに インターネットでウランを売買していた高校生が摘発された。普通、試験管に入った量程度のウランを売買するのに国への報告が必要になるとは気が付かないが、実はウランは少量でも国に報告しなければならないことになっている。
  • 小型モジュラー炉(Small Modular Reactor)は最近何かと人気が高い。とりわけ3•11つまり福島第一原子力発電所事故後の日本においては、一向に進まない新増設・リプレースのあたかも救世主のような扱いもされて
  • IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 IPCCの報告では、20世紀に起きた地球規模での気温上昇
  • CO2を多く排出するとして、ここのところ先進国ではバッシングを受けている石炭事業だが、世界には多くの炭鉱開発計画がある。 最近出た環境団体グローバル・エナジー・モニターの報告によると、世界で提案されている新しい炭鉱開発事
  • 政府のエネルギー・環境会議による「革新的エネルギー・環境戦略」(以下では「戦略」)が決定された。通常はこれに従って関連法案が国会に提出され、新しい政策ができるのだが、今回は民主党政権が残り少なくなっているため、これがどの程度、法案として実現するのかはわからない。2030年代までのエネルギー政策という長期の問題を1年足らずの議論で、政権末期に駆け込みで決めるのも不可解だ。
  • 貧困のただなかにある人達は世界の大企業をどうみるだろうか。あるいは、貧困撲滅が最大の政治課題である途上国政府は世界の大企業をどうみるだろうか。
  • 全原発を止めて電力料金の高騰を招いた田中私案 電力料金は高騰し続けている。その一方でかつて9電力と言われた大手電力会社は軒並み大赤字である。 わが国のエネルギー安定供給の要は原子力発電所であることは、大規模停電と常に隣り
  • 「もしトランプ」が大統領になったら、エネルギー環境政策がどうなるか、これははっきりしている。トランプ大統領のホームページに動画が公開されている。全47本のうち3本がエネルギー環境に関することだから、トランプ政権はこの問題

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑