今週のアップデート — 福島復興の取り組み(2013年3月18日)

2013年03月18日 13:00

今週のアップデート

1)原発事故に直面して2年が経過した福島の復興をめぐって、何ができるのか。それを考える前提として、まず現状を知る事ではないでしょうか。

東京在住の翻訳家のナカイサヤカさんは「福島おうえん勉強会」という取り組みを行っています。そのイベントを巡り考えたことを、寄稿いただきました。

語り合うことから始める福島支援 — 普通の主婦がつくりあげた対話イベント

2)GEPRを運営するアゴラ研究所は、アゴラチャンネルを通じて、映像コンテンツを配信しています。3月15日の放送では、エネルギー政策の研究者で、元経産省の行政官であった澤昭裕氏と、池田信夫所長の対談を行いました

電力改革、電力料金は下がるのか–アゴラチャンネル報告

3)「なぜ今、電力改革を行うのか−書評『エネルギー・原子力大転換』仙谷由人

提携する国際環境経済研究所(IEEI)に掲載された論考です。民主党政権時代の実力者だった仙谷氏の本に掲載の電力改革案を、専門家が分析しました。

今週のリンク

1)電力システム改革専門委員会報告書
経済産業省・総合資源エネルギー調査会

以前紹介のものを再掲載。3月18日掲載のコラムで言及のため。今年2月公表の資料で、電力会社の地域独占の見直しなど電力自由化を経産大臣に勧告した文章です。

2)福島の除染「1ミリ・シーベルト」が阻む住民の帰還
読売新聞

3月9日の社説。除染の遅れを、非現実的な年間被曝量1ミリシーベルトに設けていることへの批判です。これは年間被曝量以下で、この水準まで下げたとしても、健康被害の可能性はありません。そのおかしさを指摘しています。

3)「福島おうえん勉強会・ふくしまの話を聞こう」第二回
福島おうえん勉強会

3月15日掲載コラムのナカイサヤカさんらによる勉強会のサイト。学び、対話する事で、原発事故の被害にあった福島県のためにできる事を探そうというものです。講演内容の映像も見られます。

4)チェルノブイリ後のノルウェーにおける動き(日本語)
ノルウェー放射線防護局

2012年に福島県伊達市で行われたICRP(国際放射線防護委員会)のタウンミーティングでの配布資料。ノルウェーの動きが分かりやすく紹介されています。食品の放射線安全基準は、1キログラム当たり600ベクレル。日本の規制値100べクレルより緩くなっています。

5)米、風力過剰で電力卸値暴落 補助策のあおり 原子力・石炭苦境
産経ビズ

米国ではシェールガス革命による天然ガスの増産に加えて、補助金を利用した自然エネルギーが電力供給体制を混乱させ始め、原子力と石炭産業に悪影響を及ぼし始めたという記事です。元原稿は米国の経済通信社ブルームバーグから。

This page as PDF

関連記事

  • 1月は地球の気温が急降下した。1991-2020の平均値とほとんど同じ(+0.03℃)になった。 データは衛星観測によるもの。図の見方は以前の記事を参照してください。 このデータは元NASAの衛星観測の第一人者ロイ・スペ
  • 私は原子力の研究者です。50年以上前に私は東京工業大学大学院の原子炉物理の学生になりました。その際に、まず広島の原爆ドームと資料館を訪ね、原子力の平和利用のために徹底的に安全性に取り組もうと決心しました。1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故は、私の具体的な安全設計追求の動機になり、安全性が向上した原子炉の姿を探求しました。
  • 村上さんが委員を務める「大阪府市エネルギー戦略会議」の提案で、関西電力が今年の夏の節電期間にこの取引を行います。これまでの電力供給では、余分に電力を作って供給の変動に備えていました。ところが福島の原発事故の影響で原発が動かせなくなり、供給が潤沢に行えなくなりました。
  • 元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 先日、NHKのBS世界のドキュメンタリーで「地球温暖化はウソ?世論動かす“プロ”の暗躍」と言う番組が放送された。番組の概要にはこうある。 世界的な潮流に反してアメリカの保守派に
  • 女児の健やかな成長を願う桃の節句に、いささか衝撃的な報道があった。甲府地方法務局によれば、福島県から山梨県内に避難した女性が昨年6月、原発事故の風評被害により県内保育園に子の入園を拒否されたとして救済を申し立てたという。保育園側から「ほかの保護者から原発に対する不安の声が出た場合、保育園として対応できない」というのが入園拒否理由である。また女性が避難先近くの公園で子を遊ばせていた際に、「子を公園で遊ばせるのを自粛してほしい」と要請されたという。結果、女性は山梨県外で生活している(詳細は、『山梨日日新聞』、小菅信子@nobuko_kosuge氏のツイートによる)。
  • 6月27日から30日にかけて、東京電力管内では広域ブロック予備率が5%を切る時間帯が生じると見込まれ、政府より「需給ひっ迫注意報」が発出された。SNS上では「かつてはこのようなことは起きなかった」「日本の電力の安定供給体
  • 私は友人と設計事務所を経営しつつ、山形にある東北芸術工科大学で建築を教えている。自然豊かな山形の地だからできることは何かを考え始め、自然の力を利用し、環境に負荷をかけないカーボンニュートラルハウスの研究に行き着いた。
  • 福島原子力事故について、「健康被害が起こるのか」という問いに日本国民の関心が集まっています。私たちGEPRのスタッフは、現在の医学的知見と放射線量を考え、日本と福島で大規模な健康被害が起こる可能性はとても少ないと考えています。GEPRは日本と世界の市民のために、今後も正しい情報を提供していきます。

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑