今週のアップデート - アゴラ静岡シンポジウム27日開催(2014年9月22日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
1) 第3回アゴラ・シンポジウム「災害のリスク 東日本大震災に何を学ぶか」
アゴラ研究所は、9月27日に静岡で、地元有志の協力を得て、シンポジウムを開催します。東日本大震災からの教訓、そしてエネルギー問題を語り合います。東京大学名誉教授で、「失敗学」で知られる畑村洋太郎氏、安全保障アナリストの小川和久氏などの専門家が出席。多様な観点から問題を考えます。聴講は無料、ぜひご参加ください。詳細は上記記事で。
2) 「災害のリスク―東日本大震災から何を学ぶか」パンフレット【アゴラ・シンポ関連】
シンポジウムのパンフレットを作成しました。当日のプログラムにもなります。自由にお使いください。(PDFはこちら)
アゴラ・シンポジウムで基調講演『東日本大震災が教えるもの』を行う畑村洋太郎氏に、寄稿をいただきました。畑村氏は震災前から災害、原発、津波のリスクを指摘してきました。政府福島原子力発電所事故調査・検証委員会では委員長を務めました。
「想定」「避難」「復興」「全体像」「共有」「平時と有事」「複合災害」「過去の経験」などのキーワードで表される8つの視点から問題を分析。防災、そして個人の生活に示唆の富む文章です。ご一読ください。
4)東日本大震災の教訓を「減災」に活かす【アゴラ・シンポ関連】
アゴラ・シンポジウムの第1セッション「東海地震のリスクをどう考えるか」に出席いただく常葉大学社会環境学部長の池田浩敬氏に寄稿をいただきました。東日本大震災、またその後の政府の災害予測で、大量の情報が提供されています。しかし、それは特定地域にそのまま当てはまらず、また誤った予想を生みかねないと、防災研究者の立場から分析しています。
5)専門家の陥る数字と論理の罠―効果的なリスコミとは?【アゴラ・シンポ関連】
アゴラ・シンポジウムの第1セッション「東海地震のリスクをどう考えるか」に出席いただく西澤真理子氏に寄稿をいただきました。西澤氏はリスクコミュニケーションコンサルタントとして、リテラジャパンという会社を経営しています。福島の実務体験を参考にして、効果的なリスコミの方法を提言しています。
6) 欧州と米国から学ぶエネルギー安全保障【アゴラ・シンポ関連】
アゴラ・シンポジウムの第2セッション「エネルギーの選択と環境問題におけるリスクを考える」に出席いただく常葉大学経営学部教授の山本隆三氏に寄稿をいただきました。他国のエネルギーでのリスクの事例を紹介し、エネルギーを多面的に考え、原子力を位置づけることの必要性を訴えています。
日本の原子力規制委員会の行政活動が、多くの批判にさらされています。NPO日本の将来を考える会(IOJ)にかかわる元エネルギー関係者が、優れた規制を行っているとされる米NRC(原子力規制委員会)と日本を比べました。制度、人材で大きな差があることが分かります。
今週のリンク
1)田中氏「独立性保つ」 石渡氏「2度と事故起こさぬ」–原子力規制委に2新委員
日本経済新聞9月20日記事。原子力規制委員会の5人の委員のうち、2人が交代しました。事業者と対立関係にあった島崎委員が交代しています。原電敦賀2号機の断層審査、各原発の審査の遅れなど課題が山積しており、速やかな対応が望まれます。
フォーブスウェブ版コラム(9月17日付)。米国では1979年のスリーマイル島原発事故以来、原発の建設が止まりました。90年代から再開され、21世紀では初の原子炉がまもなく完成します。TVA(テネシー州電力公社)所有のワッツ・バー原発2号機、1号機は1996年稼働です。米国は、シェールガス革命の中でも、原発の意義を認め、建設を国が支援しています。
4)(私の視点)エネルギー政策 3.11前への回帰は許さない
朝日新聞9月19日記事。前者は元外交官で東海大学教授も務めた金子熊夫氏、前原子力委員会委員長代理の鈴木達治郎氏の論考。推進と慎重の立場でしょう。こうした多様な視点から、エネルギーが語られないことが日本の問題です。
5)ビル・ゲイツを興奮させた日本の次世代原子炉、原発事故で停滞 中国など猛追で「命取り」
産経新聞9月18日記事。同社による原子力を肯定的にとらえた連載「原子力再興」の一部。日本が優位性を持っていた次世代原子炉の研究が停滞していることを伝えています。科学技術の進歩から、残念なこと。事故処理と研究は分けるべきでしょう。

関連記事
-
資本主義永続としての「脱成長」のロジック 『資本論』のドイツ語版からの翻訳とフランス語版からの翻訳のどちらでも、第1巻の末尾で「資本主義的所有の最後の鐘が鳴る。今度は収奪者が収奪される」(マルクス、1872-1875=1
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 5月26日、参議院本会議で「2050年までの脱炭素社会の実現」を明記した改正地球温暖化対策推進法(以下「脱炭素社会法」と略記)が、全会一致で可決、成立した。全会一致と言うことは
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
ヨーロッパで、エネルギー危機が起こっている。イギリスでは大停電が起こり、電気代が例年の数倍に上がった。この直接の原因はイギリスで風力発電の発電量が計画を大幅に下回ったことだが、長期的な原因は世界的な天然ガスの供給不足であ
-
太陽光発電を導入済みまたは検討中の企業の方々と太陽光パネルの廃棄についてお話をすると、ほとんどの方が「心配しなくてもそのうちリサイクル技術が確立される」と楽観的なことをおっしゃいます。筆者はとても心配症であり、また人類に
-
きのうの日本記者クラブの討論会は、意外に話が噛み合っていた。議論の焦点は本命とされる河野太郎氏の政策だった。 第一は彼の提案した最低保障年金が民主党政権の時代に葬られたものだという点だが、これについての岸田氏の突っ込みは
-
エネルギー・環境問題の「バーチャルシンクタンク」であるグローバルエナジー・ポリシーリサーチ(GEPR)を運営するアゴラ研究所は、インターネット上の映像配信サービスのニコニコ生放送で「アゴラチャンネル」を開設して、映像コンテンツを公開している。3月15日はエネルギー研究者の澤昭裕氏を招き、池田信夫アゴラ研究所所長との間で「電力改革、電力料金は下がるのか」という対談を行った。
-
影の実力者、仙谷由人氏が要職をつとめた民主党政権。震災後の菅政権迷走の舞台裏を赤裸々に仙谷氏自身が暴露した。福島第一原発事故後の東電処理をめぐる様々な思惑の交錯、脱原発の政治運動化に挑んだ菅元首相らとの党内攻防、大飯原発再稼働の真相など、前政権下での国民不在のエネルギー政策決定のパワーゲームが白日の下にさらされる。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間