今週のアップデート - アゴラ・シンポ報告(2014年10月27日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
1) エネルギー選択と直面するリスクを考える【アゴラ・シンポ 第2セッション要旨・1】
2) エネルギー選択と直面するリスクを考える【アゴラ・シンポ 第2セッション要旨・2】
アゴラ研究所の行った防災とエネルギーをめぐるシンポジウムの概要を紹介します。
出席者は、小川和久(静岡県立大学特任教授/特定非営利活動法人・国際変動研究所理事長/軍事アナリスト)、山本隆三(常葉大学経営学部教授) 、澤昭裕(21世紀政策研究所・研究主幹、国際環境経済研究所・所長) 、佐々木敏春(中部電力静岡支店副支店長)の各氏。司会は池田信夫アゴラ研究所・所長が務めました。
エネルギーリスクを専門家が多面的に分析しています。
3) 「民意」の実像はいかがわしい-川内原発での反原発「市民」団体の行動
川内原発の地元同意が、再稼働の条件になっています。その地元同意ですが、どうもゆがめられたものが拡散しているようです。
今週のリンク
河北新報10月27日記事。福島県知事選が26日行われ、自民、民主の相乗り候補だった前副知事の内堀雅雄氏が当選しました。ただし選挙では、候補は脱原発、東電福島第2原発の廃炉で一致。原発避難者の早期帰還方法、1mSv除染の見直しなどが争点になりませんでした。こうした議論を深めるべきではないでしょうか。
2)原発事故時の国際補償条約で閣議決定 メーカー免責、輸出後押し
産経新聞10月24日記事。事故発生国には一定額(約470億円)以上の賠償を義務付け、これを超えた場合は各国の拠出金で賠償の一部を補完する国際的な賠償枠組みへの参加を日本政府は閣議決定しました。メーカー免責で日本の原発輸出を支援すると見込まれます。
経産省ホームページ、10月21日。政治資金問題により小渕優子前大臣が辞任。新しく宮沢洋一氏が就任しました。原子力はベースロード電源、再稼働を進め、再エネの検証など、現在のエネルギー政策を踏襲する方向です。
日本経済新聞10月25日記事。原子力の集約を経産省が電力会社に打診を始めたという記事です。電力自由化の中で起こりうる話ですが、自由化の着地点はまだ見えないため、電力会社は対応できない状況でしょう。官主導の再編への反発も起こっているようです。
5)LNGが日本の電力の将来を担う? 再生可能エネルギーの可能性と合わせ、海外報道
NewShere10月25日記事。海外ニュースサイトのまとめサイト。海外でも、日本の再エネバブルと原発停止による貿易赤字は注目されているようです。福島の情報は危険に傾いている側面もありますが、経済ニュースとして日本のエネルギーが語られるようになっています。

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私の専門分野はリスクコミュニケーションです(以下、「リスコミ」と略します)。英独で10年間、先端の理論と実践を学んだ後、現在に至るまで食品分野を中心に行政や企業のコンサルタントをしてきました。そのなかで、日本におけるリスク伝達やリスク認知の問題点に何度も悩まされました。本稿では、その見地から「いかにして平時にリスクを伝えるのか」を考えてみたいと思います。
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