今週のアップデート - 再エネ振興策、混乱の収束策(2014年11月10日)

2014年11月10日 17:00

アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。

今週のアップデート

1) 太陽光バブルの崩壊(上)なぜ混乱?【アゴラチャンネル報告】

2) 太陽光バブルの崩壊(下)政策目的不明に【アゴラチャンネル報告】

3) 映像 太陽光バブルの崩壊-なぜ再エネ買い取り制度は破綻したのか

再エネ振興策をめぐり、電力会社が接続を保留するなどの混乱が発生。国民負担の大きさについても議論が再燃しています。この制度の見直しを、澤昭裕(国際環境経済研究所所長)、宇佐美典也(再エネコンサルタント)、池田信夫(アゴラ研究所所長)の3氏が議論しました。

今週のリンク

1)世代間闘争としての原発再稼働

池田信夫アゴラ研究所所長。11月8日アゴラ記事。九州電力川内原発の再稼働について、地元の鹿児島県知事、議会が承認する意向です。それを受けた世論調査で、20-30代の人ほど再稼働賛成が多く、逆に年齢が増えるごとに再稼働反対が多くなります。これを世代間闘争の面があると池田氏が分析しています。

2)川内再稼働へ、地元同意得るモデルにしたい

読売新聞11月8日社説。再稼働の道筋がついたことを評価する一方、ルールの明確化と審査の迅速化を求めています。

3)田中委員長が火山学会批判 審査基準見直し提言で

共同通信11月6日記事。火山学会が、原子力規制委員会の火山規制基準を足りないと批判。ただし事実上、常時の監視を求めるもので、規制委員会は非現実的と指摘しています。ただし田中俊一委員長の「対応はできる」という発言にも、根拠がないと批判が集まっています。

4)新エネルギー小委員会配布資料

経産省・資源エネルギー庁、11月6日開催分。企業、経団連、消費者団体の委員が再エネ買い取り制度について意見を述べています。企業には重荷になる一方、多くの人が再エネに過度に期待を向けている実態が、資料から見えてきます。

5)持続可能な再生可能エネルギーの導入に向けて(経団連再エネ意見書)

6)電力多消費産業の要望事項

経産省・資源エネルギー庁、11月6日。上記委員会に提出の資料。鋳造業、電炉などは電力料金値上げと、再エネ賦課金の負担が年1600億円になり、産業として疲弊しているとの主張が述べられています。

 

This page as PDF

関連記事

  • 3月7日から筆者の滞在するジュネーブにて開催された100年以上の歴史を誇るモーターショーを振り返りつつ雑感を述べたい。「Salon International de l’Auto」、いわゆるジュネーブ・モーターショーのことだ。いわゆるジュネーブ・モーターショーのこと。1905年から開催されている。
  • 昨年11月に発表されたIEA(国際エネルギー機関)のWorld Energy Outlookが、ちょっと話題を呼んでいる。このレポートの地球温暖化についての分析は、来年発表されるIPCCの第6次評価報告書に使われるデータ
  • 3月24日。再掲載。今回の再エネ政策の見直しの背景になった功罪について検証しています。全3回。
  • 【要旨】日本で7月から始まる再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の太陽光発電の買取価格の1kWh=42円は国際価格に比べて割高で、バブルを誘発する可能性がある。安価な中国製品が流入して産業振興にも役立たず、制度そのものが疑問。実施する場合でも、1・内外価格差を是正する買取価格まで頻繁な切り下げの実施、2・太陽光パネル価格と発電の価格データの蓄積、3・費用負担見直しの透明性向上という制度上の工夫でバブルを避ける必要がある。
  • 全国の電力会社で、太陽光発電の接続申し込みを受けつけないトラブルが広がっている。これは2012年7月から始まった固定価格買い取り制度(FIT)によって、大量に発電設備が設置されたことが原因である。2年間に認定された太陽光発電設備の総発電量は約7000万kW、日本の電力使用量の70%にのぼる膨大な設備である。
  • 今年も夏が本格化している。 一般に夏と冬は電力需給が大きく、供給責任を持つ電力会社は変動する需要を満たすために万全の対策をとる。2011年以前であればいわゆる旧一般電気事業者と呼ばれる大手電力会社が供給をほぼ独占しており
  • 12月1日付GEPRに山家公雄氏の解説記事(「再エネ、健全な成長のために」)が掲載されており、「固定価格買取制度(FIT)とグリッド&マーケット・オペレートが再エネ健全推進の車の両輪である」との理論が展開されている。しかしドイツなど先行国の実例を見ても再エネの健全な推進は決して実現していない。
  • 山梨県北杜市(ほくとし)における太陽光発電による景観と環境の破壊を、筆者は昨年7月にGEPR・アゴラで伝えた。閲覧数が合計で40万回以上となった。(写真1、写真2、北杜市内の様子。北杜市内のある場所の光景。突如森が切り開

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑