今週のアップデート=英国EU離脱の影響(2016年7月12日)
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今週のアップデート
1)英国のEU離脱、エネルギー・気候変動対策にどのような影響を与えるのか
英国のEU離脱について、さまざまな問題が浮上しています。元経産官僚、前ジェトロ(日本貿易振興機構)ロンドン事務所長の東大教授の有馬純さんの寄稿です。先行きは不透明な面は多いものの、現地を見た専門家の貴重な情報です。
原子力規制委員会が訴訟対応で、解説書をつくりました。頻発する反原発派の訴訟に応じ、裁判所への説明を容易にするためのもののようです。しかし、こうしたことをする前に、法的にあいまいな数々の行政措置を是正するべきでしょう。アゴラ・GEPRの編集者である石井孝明の解説です。
IEA(国際エネルギー機関)のリポートの要旨部分の抜粋を訳出しました。年650万人の死はエネルギー効率化の適切な政策で半減可能というものです。
今週のリンク
国際環境経済研究所(IEEI)の山本隆三所長、常葉大学教授の論考。原子力の建設で、厳しすぎるEUの基準から外れる可能性、ビジネスの不透明性の両面の問題が出ているという指摘です。
原子力規制委員会。6月29日公表。新規制基準の考え方を整理し、一般の人に解説したもの。ただし訴訟対策と、同規制委は認めています。
IEA(国際エネルギー機関)6月27日公表。大気汚染とエネルギー開発をめぐる特別リポート。大気汚染の死亡は年650万人いて、対策がなければ増え続けるという。近日要旨をGEPRに掲載します。
4)大気汚染による死亡、エネ政策変更なければ増加続く=IEA
ロイター通信6月27日記事。上記IEAのリポートの要約。エネルギー政策では小額の投資で、状況は変えられるとリポートは訴えています。
朝日新聞7月10日記事。鹿児島県知事に、元テレビ朝日記者の三反園訓氏が当選しました。三反園氏は、川内原発の稼働に懐疑的な立場で、再検査を訴えて当選しました。今後の動向が注目されます。

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