石炭叩き真最中の日本を尻目に米国は石炭の輸出ブーム

2021年07月12日 06:40
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

コロナ後の経済回復を受けて米国で石炭ブームになっている。米国エネルギー省の見通しによると、今年の石炭生産量は6億1700万トンに上り、1990年以降最大になる見通しである(p47 table 6)。

更に、アジアでの旺盛な石炭需要の伸びを受けて、米国の輸出量はコロナで低迷した2020年の6910万トンから、2021年は8380万トン、2022年には9910万トンへと伸びる見通しである(図は四半期ごとの石炭輸出量予測。単位は100万トン)。

これは日本の年間石炭消費量の半分以上の量だ!

日本は米国バイデン政権に圧力を掛けられて海外の石炭事業から撤退したり国内の石炭火力発電を減らしたりしているが、そのアメリカが結構な量の石炭輸出を続けているなんて、何かおかしくないか?

ArturNyk/iStock

日本だって経済や安全保障といった国益が懸かっているのだから、おめおめ言いなりになっている場合ではない。

クリックするとリンクに飛びます。

「脱炭素」は嘘だらけ

This page as PDF
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

関連記事

  • 洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、受託収賄容疑で衆院議員、秋本真利容疑者が逮捕された。捜査がどこまで及ぶのか、今後の展開が気になるところである。各電源の発電コストについて、いま一度確認しておきたい。 2021年8月経済産
  • (書評:ディーター・ヘルム「Climate Crunch」) 我が国の環境関係者、マスメディアの間では「欧州は温暖化政策のリーダーであり、欧州を見習うべきだ」という見方が強い。とりわけ福島第一原発事故後は原発をフェーズア
  • 「原発事故に直面した福島のガンの増加の可能性は、仮にあるとして、0.0002%?0.0000の間。それなのに人々は避難を強制され、毎日表示されるガイガーカウンターの数値に囲まれ生活している」。ナレーションの後に原発と、福島の人々の姿、そして除染の光景が示される。これは必要なことなのだろうか
  • 元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 最近流れたニュース「MITが核融合発電所に必要となる「超伝導電磁石の磁場強度」で世界記録を更新したと報告」を読んで、核融合の実現が近いと思った方も多いかと思うが、どっこい、そん
  • 「再エネ100%で製造しています」という(非化石証書などの)表示について考察する3本目です。本来は企業が順守しなければならないのに、抵触または違反していることとして景表法の精神、環境表示ガイドラインの2点を指摘しました。
  • 高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市) 政府は、高速増殖炉(FBR)「もんじゅ」を廃炉にする方針を明らかにした。これはGEPR(記事「「もんじゅ」は研究開発施設として出直せ」)でもかねてから提言した通りで、これ以外の道はなか
  • 夏も半分過ぎてしまったが、今年のドイツは冷夏になりそうだ。7月前半には全国的に暑い日が続き、ところによっては気温が40度近くになって「惑星の危機」が叫ばれたが、暑さは一瞬で終わった。今後、8月に挽回する可能性もあるが、7
  • ドイツの風力発電偏重で電力の価格が急上昇 アメリカ・テキサス州の記者、ロバート・ブライス氏のブログによると、2024年12月11日と12日の2日間、風力発電の大幅な低下および気温の低下による需要増によって、電力市場のスポ

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑