このシロクマ君がフェイクだってご存じでしたか

2022年02月08日 06:40
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

北極の氷がなくなって寂しそうなシロクマ君のこの写真、ご覧になったことがあると思います。

サイエンスに当初掲載された写真

でもこの写真、なんとフェイクなのです!

しかも、ネイチャーと並ぶ有名科学雑誌サイエンスに載ったものです! 2010年のことでした。

さすがに発覚して、サイエンスでは、これは編集者が間違って掲載したコラージュでした、と訂正記事を出しました

訂正記事

いまサイエンスのホームページを見ると、違う写真に入れ替わっています

訂正後のサイエンス記事

それにしてもこの記事のタイトルがよりによって「気候変動とサイエンスの尊厳」だとは。。。

ちなみに冒頭のフェイク写真は、あちこち出回ってしまっています。

それにしても、「気候危機説を訴える」為なら、フェイクでも何でもアリという人々がいるのは困ったものです。

(なおこのサイエンス記事のことを初めて知ったのは、リンク先の伊藤公紀先生のスライド集でした。記してお礼します)。

This page as PDF
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

関連記事

  • 「核科学者が解読する北朝鮮核実験 — 技術進化に警戒必要」に関連して、核融合と核分裂のカップリングについて問い合わせがあり、補足する。
  • 連日、「化石燃料はもうお仕舞いだ、脱炭素だ、これからは太陽光発電と風力発電だ」、という報道に晒されていて、洗脳されかかっている人も多いかもしれない。 けれども実態は全く違う。 NGOであるREN21の報告書に分かり易い図
  • 福島原発事故で流れ出る汚染水への社会的な関心が広がっています。その健康被害はどのような程度になるのか。私たちへの健康について、冷静に分析した記事がありません。
  • 「気候危機説」を煽り立てるために、現実的に起きそうな範囲を大きく上回るCO2排出シナリオが用いられ続けてきた。IPCCが用いるSSP5-8.5排出シナリオだ。 気候危機論者は、「いまのままだとこのシナリオに沿って排出が激
  • 「気候変動の真実 科学は何を語り、何を語っていないか」については分厚い本を通読する人は少ないと思うので、多少ネタバラシの感は拭えないが、敢えて内容紹介と論評を試みたい。1回では紹介しきれないので、複数回にわたることをお許
  • ドイツの地金 ロシアのウクライナ侵攻で、白日のもとに晒されたことがある。 それは、脱炭素政策に前のめりなドイツが実はロシアの天然ガスにドップリと浸かっているという事実である。ドイツのエネルギー政策の地金が出てきたとでも言
  • いま東芝をたたくのは簡単だ。『東芝解体』のように正義漢を気取って、結果論で東芝を批判するのは誰でもできる。本書のタイトルはそういうきわものに見えるが、中身は10年近い取材の蓄積をもとにしている。テーマは経営陣の派閥抗争な
  • 北海道の地震による大停電は復旧に向かっているが、今も約70万世帯が停電したままだ。事故を起こした苫東厚真火力発電所はまだ運転できないため、古い火力発電所を動かしているが、ピーク時の需要はまかないきれないため、政府は計画停

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑