IPCC報告の論点52:生態系のナマの観測の統計を示すべきだ
前回に続いて、環境影響(impact)を取り扱っている第2部会報告を読む。

Chinnapong/iStock
今回は生態系への気候変動の影響。
本文をいくら読み進めても、ナマの観測データがとにかく図示さていない。
あったのは、以下の3つ(いずれも図の一部を抜粋。図の詳しい説明は省略)。いずれも、かなり高度に加工されたデータばかりだ。



図示されているのは、順に、「海洋における年間の生物活動時期が10年あたり何日ぐらい変化したか」、「緯度ごとの海洋の種の豊富さがどう変化したか」「地球の海洋全体で急激な生物コミュニティの大きさと広がりがどのぐらいシフトしたか」というものだ。
いずれも、それなりの変化があって、その理由の一部はCO2による気候変動なのかもしれないけれども、だがこれだけ加工度の高い数値を見せられても、生態系に何か本当に困ったことが起きているのかどうかはピンとこない。
なぜもっと直接的に、みんなが心配している種の観測の統計を出さないのだろう。
例えばシロクマであれば、以前書いたように、その頭数は増えている。

図 シロクマの頭数。単位は1000頭
生態系の心配をするなら、こういったナマの観測の統計をまず図示すべきだが、この報告にはそれが一切ない。
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1つの報告書が出たということは、議論の終わりではなく、始まりに過ぎない。次回以降も、あれこれ論点を取り上げてゆこう。
【関連記事】
・IPCC報告の論点①:不吉な被害予測はゴミ箱行きに
・IPCC報告の論点②:太陽活動の変化は無視できない
・IPCC報告の論点③:熱すぎるモデル予測はゴミ箱行きに
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・IPCC報告の論点⑪:モデルは北極も南極も熱すぎる
・IPCC報告の論点⑫:モデルは大気の気温が熱すぎる
・IPCC報告の論点⑬:モデルはアフリカの旱魃を再現できない
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・IPCC報告の論点㉔:地域の気候は大きく変化してきた
・IPCC報告の論点㉕:日本の気候は大きく変化してきた
・IPCC報告の論点㉖:CO2だけで気温が決まっていた筈が無い
・IPCC報告の論点㉗:温暖化は海洋の振動で起きているのか
・IPCC報告の論点㉘:やはりモデル予測は熱すぎた
・IPCC報告の論点㉙:縄文時代の北極海に氷はあったのか
・IPCC報告の論点㉚:脱炭素で本当にCO2は一定になるのか
・IPCC報告の論点㉛:太陽活動変化が地球の気温に影響した
・IPCC報告の論点㉜:都市熱を取除くと地球温暖化は半分になる
・IPCC報告の論点㉝:CO2に温室効果があるのは本当です
・IPCC報告の論点㉞:海氷は本当に減っているのか
・IPCC報告の論点㉟:欧州の旱魃は自然変動の範囲内
・IPCC報告の論点㊱:自然吸収が増えてCO2濃度は上がらない
・IPCC報告の論点㊲:これは酷い。海面の自然変動を隠蔽
・IPCC報告の論点㊳:ハリケーンと台風は逆・激甚化
・IPCC報告の論点㊴:大雨はむしろ減っているのではないか
・IPCC報告の論点㊵:温暖化した地球の風景も悪くない
・IPCC報告の論点㊶:CO2濃度は昔はもっと高かった
・IPCC報告の論点㊷:メタンによる温暖化はもう飽和状態
・IPCC報告の論点㊸:CO2ゼロは不要。半減で温暖化は止まる
・IPCC報告の論点㊹:アメダスで温暖化影響など分からない
・IPCC報告の論点㊺:温暖化予測の捏造方法の解説
・IPCC報告の論点㊻:日本の大雨は増えているか検定
・IPCC報告の論点㊼:縄文時代には氷河が後退していた
・IPCC報告の論点㊽:環境影響は観測の統計を示すべきだ
・IPCC報告の論点㊾:要約にあった唯一のナマの観測の統計がこれ
・IPCC報告の論点㊿:この「山火事激増」の図は酷い
・IPCC報告の論点51:気候変動で食料生産が減っている?
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