熱波で暑いのは地球ではなく先進国だけ
日本、欧州、米国で相次いで熱波が発生したとのことで、日本でも連日報道されていて、まるで地球全体が暑くなったかのようだが、じつはそんなことはない。
メイン大学のホームページにある米国の分析結果を見ると、7月21日の地上2メートルの一日平均の気温は、世界平均では平年値プラス0.3℃にすぎない。なお、ここで平年値としては1979年から2000年までの平均を用いている。
図中で、赤いところは平年値より気温が高く、青いところは平年値より気温が低い。
これを見ると、確かに、日本、欧州、米国では気温が高くなっている。
だが、涼しいところも沢山ある。アラスカ、カナダ、シベリア、中央アフリカなど。南極海あたりは猛烈に寒い。
要は、欧州と米国のニュースは盛んに報道されるが、それ以外の地域のことはあまり報道されない、という先進国中心のバイアスがかかっているのだ。
先進国中心といえば、この地図は見慣れたものだが、北半球の面積が不釣り合いに大きくなっている。インドや中央アフリカは地球儀で見るともっと広大なことが分かる。
■
関連記事
-
電力中央研究所の朝野賢司主任研究員の寄稿です。福島原発事故後の再生可能エネルギーの支援の追加費用総額は、年2800億円の巨額になりました。再エネの支援対策である固定価格買取制度(FIT)が始まったためです。この補助総額は10年の5倍ですが、再エネの導入量は倍増しただけです。この負担が正当なものか、検証が必要です。
-
米国保守系シンクタンクのハートランド研究所が「2024年大統領選の反ESGスコアカード」というレポートを発表した。大統領候補に名乗りを上げている政治家について、反ESG活動の度合いに応じてスコアを付けるというもの。 これ
-
SDGsの前身は2000年に国連で採択されたMDGs(Millennium Development Goals、ミレニアム開発目標)です。2015年を最終年とし、貧困や乳児死亡率の削減、環境問題など8分類21項目を掲げた
-
厄介な気候変動の問題 かつてアーリは「気候変動」について次の4点を総括したことがある(アーリ、2016=2019:201-202)。 気候変動は、複数の未来を予測し、それによって悲惨な結末を回避するための介入を可能にする
-
キマイラ大学 もしかするとそういう名称になるかもしれない。しかしそれだけはやめといたほうが良いと思ってきた。東京科学大学のことである。東京工業医科歯科大学の方がよほどマシではないか。 そもそもが生い立ちの異なる大学を無理
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 6月30日に掲載された宮本優氏の「失われつつある科学への信頼を取り戻すには・・」の主張に、筆者は幾つかの点では共感する。ただし全てにではない(例えばコロナの「2類→5類」論には
-
台湾有事となると、在韓米軍が台湾支援をして、それが中国による攻撃対象になるかもしれない。この「台湾有事は韓国有事」ということが指摘されるようになった。 これは単なる軍事的な問題ではなく、シーレーンの問題でもある。 実際の
-
影の実力者、仙谷由人氏が要職をつとめた民主党政権。震災後の菅政権迷走の舞台裏を赤裸々に仙谷氏自身が暴露した。福島第一原発事故後の東電処理をめぐる様々な思惑の交錯、脱原発の政治運動化に挑んだ菅元首相らとの党内攻防、大飯原発再稼働の真相など、前政権下での国民不在のエネルギー政策決定のパワーゲームが白日の下にさらされる。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間