岸田首相の経済対策で光熱費がますます上がる本末顛倒

新しい資本主義実現会議で発言する岸田首相
首相官邸HPより
岸田首相肝いりの経済対策で、エネルギーについては何を書いてあるかと見てみたら、
物価高から国民生活を守る
エネルギーコスト上昇への耐性強化 企業の省エネ設備導入を複数年度支援▽中小企業の省エネ診断を推進▽断熱窓の改修や高効率の給湯器の導入支援▽クリーンエネルギー自動車などの導入促進▽自家消費型太陽光発電・蓄電池など導入支援▽原発再稼働や次世代革新炉の開発を推進
「自家消費型太陽光発電・蓄電池など導入支援」と書いてあるではないか。
既存の再エネ全量買い取り制度の上に、さらに補助金を積み増すのだろうか?
そうすれば、太陽光パネルを設置したり、蓄電池を設置した建築主は元が取れるから光熱費の削減になると言いたいのだろうが、国民にとっては再生可能エネルギー賦課金に加えて補助金原資まで負担が膨らむばかりだ。
そもそもいま光熱費が高騰している大きな理由が再エネ賦課金なのだ。
https://agora-web.jp/archives/230217005900.html
これでは「物価高から国民生活を守る」のではなく、「物価高で国民生活を苦しめる」だけではないか。
「断熱窓の改修」などの他の施策も、補助金を受け取る人だけの利益だけではなく、国民全体の利益をきちんと検討しなければならない。
無駄な投資を促進することは、単なるバラマキよりも国民の利益を損なう。
太陽光発電推進という本末顛倒の経済対策は取り止めるべきだ。
■

関連記事
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。 1)改革進めるサウジ、その先は?-日本の未来を左右 サウジアラビアのムハンマド副皇太子、ま
-
バズフィードとヤフーが、福島第一原発の処理水についてキャンペーンを始めたが、問題の記事は意味不明だ。ほとんどは既知の話のおさらいで、5ページにようやく経産省の小委員会のメンバーの話が出てくるが、海洋放出に反対する委員の話
-
目を疑いました。。 都内の中小企業が国内外のカーボンクレジットを取引しやすい独自の取引システムを構築します!!(2024年06月06日付東京都報道発表資料) 東京都では、「ゼロエミッション東京」の実現に向けて、都内の中小
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 前稿で「脱炭素社会法」には意味がないと述べた。 その根拠として、 実測データでの気温上昇率は100年当り0.7〜1.4℃しかなく、今世紀末までの80年足らずの間に3〜5℃もの気
-
「気候変動の真実 科学は何を語り、何を語っていないか」については分厚い本を通読する人は少ないと思うので、多少ネタバラシの感は拭えないが、敢えて内容紹介と論評を試みたい。1回では紹介しきれないので、複数回にわたることをお許
-
前稿において欧州委員会がEUタクソノミーの対象に原子力を含める方向を示したことを紹介した。エネルギー危機と温暖化対応に取り組む上でしごく真っ当な判断であると思う。原子力について国によって様々な立場があることは当然である。
-
既にお知らせした「非政府エネルギー基本計画」の11項目の提言について、3回にわたって掲載する。今回は第2回目。 (前回:非政府エネ基本計画①:電気代は14円、原子力は5割に) なお報告書の正式名称は「エネルギードミナンス
-
気候変動対策のひとつとして、世界各地で大規模な太陽光発電や風力発電プロジェクトが計画されている。しかし、経済的要因や政策の変更、環境への影響などから、こうしたプロジェクトが撤退や中止に至っているケースも多い。 有名な事例
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間