CO2による地球緑化(グローバル・グリーニング)が進んでいる

2024年02月05日 06:50
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

Sakorn Sukkasemsakorn/iStock

CO2が増えたおかげで、グローバル・グリーニング(地球の緑化、global greening)が進んでいる。このことは以前から知られていたが、最新の論文で更に論証された(英語論文英語解説記事)。

図1は2000年から2020年までの世界の葉面積指数(Leaf Area Index, LAI)の変化だ。

LAIというのは、1平方メートルの面積の中に、どれだけの面積の葉があるか、という指数。林の中であれば3といった1より大きい値になる。1より大きくなるのは葉が重なっているから。植物は1枚の葉だけだとある程度は光が透過するので、何枚かの葉で光を受け止めるのが普通だ。

図を見ると、そのLAIが20年間で0.1ほど増えていることが分かる。つまり1平方メートルあたりの葉の面積は0.1平方メートルほど増えた。地球はどんどん緑になっているのだ!

4つの異なる線は、異なるデータセットを表しているが、いずれも傾向は同じだ。

図1 LAIの変化

ではこの「地球緑化」は何が起こしているのか?

CO2、太陽光(Srad)、リン(P)、土壌水分(Soil Moisture, SM)、気温(Airt)の5つの要因で分解したのが図2だ。

圧倒的にCO2が寄与していることが分かる。

図2 LAIの傾向を決定づける要因

気候変動が影響するとすれば気温や土壌水分、人間活動が影響するとすれば肥料の一つであるリンと太陽光強度(公害対策で太陽光が強くなっている)の寄与がありうるのだが、CO2が圧倒的と要因になっていて、地球はどんどん緑になっていることが分かった。

CO2は植物の光合成の基本的な要素だ。CO2の増加は生態系を豊かにし、作物の生育を促進する。これはCO2施肥効果(Carbon Fertilization)と呼ばれている。

気候変動の話は別として、大気中のCO2の増加自体は悪い事ではなく、むしろ良い事ばかりである。

This page as PDF
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

関連記事

  • 原子力問題は、安倍政権が残した最大の宿題である。きのう(9月8日)のシンポジウムは、この厄介な問題に新政権がどう取り組むかを考える上で、いろいろな材料を提供できたと思う。ただ動画では質疑応答を割愛したので、質疑のポイント
  • 英国の研究所GWPFのコンスタブルは、同国の急進的な温暖化対策を、毛沢東の大躍進政策になぞらえて警鐘を鳴らしている。 Boris’s “Green Industrial Revolution” is Economic L
  • 太陽光発電を導入済みまたは検討中の企業の方々と太陽光パネルの廃棄についてお話をすると、ほとんどの方が「心配しなくてもそのうちリサイクル技術が確立される」と楽観的なことをおっしゃいます。筆者はとても心配症であり、また人類に
  • エネルギー戦略研究会会長、EEE会議代表 金子 熊夫 GEPRフェロー 元東京大学特任教授  諸葛 宗男 周知の通り米国は世界最大の核兵器保有国です。640兆円もの予算を使って6500発もの核兵器を持っていると言われてい
  • IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 今回のIPCC報告では、新機軸として、古気候のシミュレー
  • 3.11福島原発事故から二年半。その後遺症はいまだに癒えておらず、原子力に対する逆風は一向に弱まっていない。このような状況で、原子力の必要性を口にしただけで、反原発派から直ちに「御用学者」呼ばわりされ、個人攻撃に近い非難、誹謗の対象となる。それゆえ、冒頭で敢えて一言言わせていただく。
  • ベクレルという量からは、直接、健康影響を考えることはできない。放射線による健康影響を評価するのが、実効線量(シーベルト)である。この実効線量を求めることにより、放射線による影響を家庭でも考えることができるようになる。内部被ばくを評価する場合、食べた時、吸入したときでは、影響が異なるため、異なる評価となる。放射性物質の種類によっても、影響が異なり、年齢によっても評価は異なる。
  • ドレスデンで橋が崩れた日 旧東独のドレスデンはザクセン州の州都。18世紀の壮麗なバロック建築が立ち並ぶえも言われぬ美しい町で、エルベ川のフィレンツェと呼ばれる。冷戦時代はまさに自由世界の行き止まりとなり、西側から忘れられ

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑