脱炭素政策に対する日本政府と東京都の答弁をご覧ください

2024年12月26日 06:50

rudall30/iStock

先日アゴラで紹介されていた動画を見ました。12月19日の衆議院国会質疑で、質問者は参政党北野裕子議員。質疑の一部を抜粋します。

日本の脱炭素政策に疑問! 北野裕子議員が電気料金高騰を追及

北野議員:2030年46%削減、2050年CO2ゼロを達成した場合の電気代はいくらになるか?

政府:予断をもって回答することはできない。

北野議員:2050年に日本がCO2排出量をゼロにした場合の気温上昇抑制効果は0.006℃でよいか。政府の分析にもとづく正確なデータは?

政府:予断をもつことができないためお答えは困難。

北野議員:根拠が不確かなCO2削減目標を設定するのであれば、同時に国民が豊かに暮らせる安価な電気料金の目標を設定すべきでは?

環境大臣:エネルギー基本計画、電気料金制度は経産省が所掌しているので回答を差し控える。

議員の質問に対して政府はまったく正面から答えません。

衆議院ではなく参議院のウェブサイトですが、子供向けの国会説明にこんな記述があります。

出所:参議院キッズページ(赤丸は筆者)

上記の答弁、とても小中学生に見せられたもんじゃありませんね。

一方、こちらは12月11日の東京都議会一般質問です。質問者は自由を守る会上田令子都議(5:18:03〜5:33:28)。

令和6年第4回定例会 録画映像(一般質問)

上田議員:伊豆諸島沖で浮体式洋上風力発電を行うと知事が突然表明。都と国と事業者の責任分担、具体的な根拠法、送電線の有無など詳細な説明を。

東京都:洋上風力発電の建設は再エネ海域利用法によれば事業者が実施するもの。

上田議員:炭素クレジット利用はCO2を減らさないとの指摘がある。中小企業の負担を増やし都民の税金を浪費するだけでは。予算とCO2削減見込み量は?

東京都:予算は2.5億円。炭素クレジット活用によってより多くのCO2を削減する環境を整える。

上田議員:なぜ知事は満額の退職金を受領したのか。知事の所見を求める。

東京都:知事がこれまでお伝えしてきている通り。

上田議員:再質問。結局、洋上風力発電のコストはいくらか。国民の負担は発生するのか?

東京都:洋上風力発電の建設は再エネ海域利用法によれば事業者が実施するもの。

上田都議:再質問。退職金について知事の答弁を求める。

東京都:これまでも執行機関(=知事)として適切に答弁している。

東京都にもみんなの都議会キッズページというウェブサイトがあります。中にはこんな記述が。

出典:みんなの都議会キッズページ(赤丸は筆者)

この日、子供たちが見学していても都は同じように答弁したのでしょうか。

民間企業であれば、顧客や発注元や株主からの質問に対してこんな態度で回答をしたら大炎上します。翌年には売り上げが激減して早晩廃業になりますが、親方日の丸に倒産はありません。全国民・全都民に見てほしい動画です。

■

This page as PDF

関連記事

  • 先日紹介した、『Climate:The Movie』という映画が、ネット上を駆け巡り、大きな波紋を呼んでいる。ファクトチェック団体によると、Xで150万回、YouTubeで100万回の視聴があったとのこと。 日本語字幕は
  • ポーランドの首都ワルシャワから、雪が降ったばかりの福島に到着したのは、2月2日の夜遅くでした。1年のうち、1月末から2月が、福島においては最も寒い季節だと聞きました。福島よりもさらに寒いワルシャワからやって来た私には、寒さはあまり気にならず、むしろ、福島でお目にかかった皆さんのおもてなしや、誠実な振る舞いに、心が温められるような滞在となりました。いくつかの交流のうち特に印象深かったのが、地元住民との食の安全に関する対話です。それは福島に到着した翌朝、川内村で始まりました。
  • 9月24日、国連気候サミットにおいて習近平国家主席がビデオメッセージ注1)を行い、2035年に向けた中国の新たなNDCを発表した。その概要は以下のとおりである。 2025年はパリ協定採択から10年にあたり、各国が新しい国
  • このところ小泉環境相が、あちこちのメディアに出て存在をアピールしている。プラスチック製のスプーンやストローを有料化する方針を表明したかと思えば、日経ビジネスでは「菅首相のカーボンニュートラル宣言は私の手柄だ」と語っている
  • 今年8月、EUは米国と結んだ共同声明で炭素国境調整メカニズム(CBAM)を事実上骨抜きにすると約束しました。 日本企業を苦しめてきたEU脱炭素規制の潮目が変わるか https://agora-web.jp/archive
  • 福島第一原子力発電所の事故処理、特にその技術的課題に世間の耳目が集まる一方、その地域に住む人々の暮らしについては見過ごされがちである。しかし私には、事故を起こした原子力発電所とともに生きた経験がある。
  • 2026年新年早々、世界はトランプ政権のベネズエラ侵攻とマドウロ大統領の身柄確保に驚かされた。国家安全保障戦略に明記された西半球重視を実行に移した形である。 更に1月6日には大統領メモランダムにおいて66にのぼる国際機関
  • 菅首相が昨年末にCO2を2050年までにゼロにすると宣言して以来、日本政府は「脱炭素祭り」を続けている。中心にあるのは「グリーン成長戦略」で、「経済と環境の好循環」によってグリーン成長を実現する、としている(図1)。 そ

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑