トランプの公約①:アメリカの光熱費を世界一安くする
「もしトランプ」が大統領になったら、エネルギー環境政策がどうなるか、これははっきりしている。トランプ大統領のホームページに動画が公開されている。全47本のうち3本がエネルギー環境に関することだから、トランプ政権はこの問題を重要視していることが分かる。3回にわたって見てゆこう。

トランプ前大統領HPより
まずはこの動画。
一言で要約すると、「風力などはダメで、石炭、石油、天然ガス、原子力、水力などを導入し、また電気自動車の強制を止め、世界一安価な光熱費を目指す。それでアメリカは繁栄する」、というものだ。
以下、演説の抄訳を付けておこう:
私たちは手頃な価格のエネルギーを手に入れなければならない。今、私たちが手にしているエネルギーは、弱く、標準以下であり、値段も手頃ではない。風力発電だ。風車は錆びる。腐敗する。鳥を殺す。最も高価なエネルギーだ。その他にもダメなものがある。これはグリーン・ニューディールと呼ばれ、私はグリーン・ニュー・デマと呼んでいる。
バイデンのアメリカン・エネルギー戦争は価格を高騰させ、彼の最新の行動はそれを壊滅的に悪化させるだろう。これまで見たこともないようなレベルで悪化するだろう。これはとても悪いことだ。バイデンが新たに提案した発電所規制では、ほとんどの天然ガス・石炭発電所は操業停止に追い込まれるだろう。
ところで、彼らはドイツでそれを試したが、今はまた戻ってあちこちに石炭発電所を建設している。ドイツは破壊されたのだ。ドイツにはエネルギーがない。ドイツは今、2週間ごとに石炭発電所を建設している。中国は毎週石炭発電所を建設している。毎週毎週、新しい石炭発電所を建設している。そして私たちは風とゲームをしている。
私は大統領として、アメリカが地球上のどの工業国よりもエネルギーコストが低いナンバーワンの国になるという国家目標を設定する。私はナンバーワンになりたい。
ほんの3年前まではエネルギー面で自立していた。そして今、私たちはベネズエラに石油を懇願している。それなのに、私たちは他のどの国よりも何倍も石油を持っている。サウジアラビア、ロシア、どの国も、私たちが持っているものを持っていない。私たちは、アメリカの石油や天然ガスを含む、私たちの足元にある黄金の液体を開発し、原子力、クリーンな石炭、素晴らしい水力発電、その他あらゆる形態の手ごろなエネルギーを導入して、それを成し遂げるつもりです。
私は、バイデンの破滅的な発電所規制を中止し、彼の電気自動車義務化を中止する–電気自動車を買いたいなら、それはそれで構わないが、他のあらゆる形態の自動車も買えるようになる–そして、かつてないほど国内のエネルギー生産を解き放つ。
私は、次の100年に備えて送電網を完全に近代化し、迅速な電力供給を実施する。
そして、実際に機能する何百、何千、何万もの真新しい美しい発電所の建設に青信号を灯すのだ。これによって、アメリカの富は莫大な成長を遂げるだろう。
将来、すべての製造工場、データセンター、半導体施設、組立ラインはアメリカで建設されることを望むだろう。すべての製造工場、データセンター、半導体施設、組立ラインはアメリカに建設されることを望むだろう。なぜなら、エネルギーコストが最も安くなるからだ。これは大きな要素だ。エネルギーコストが地球上のどこよりも低く、経済が地球上のどこよりも強く、労働者が世界中のどこよりも優秀な場所となる。
■
関連記事
-
「もしトランプが」大統領になったらどうなるか。よく予測不能などと言われるが、ことエネルギー環境政策については、はっきりしている。 トランプ公式ホームページに公約が書いてある。 邦訳すると、以下の通りだ。 ドナルド・J・ト
-
日本政府はGX(グリーントランスフォーメーション)を推進している。GXの核になるのは温室効果ガスの削減、なかでもゼロカーボンないしはカーボンニュートラル(ネットゼロ)がその中心課題として認識されてきた。 ネットゼロ/カー
-
昨年11月に発表されたIEA(国際エネルギー機関)のWorld Energy Outlookが、ちょっと話題を呼んでいる。このレポートの地球温暖化についての分析は、来年発表されるIPCCの第6次評価報告書に使われるデータ
-
(前回:米国の気候作業部会報告を読む⑦:災害の激甚化など起きていない) 気候危機説を否定する内容の科学的知見をまとめた気候作業部会(Climate Working Group, CWG)報告書が2025年7月23日に発表
-
アゴラ研究所の運営するネット放送「言論アリーナ」を公開しました。 今回のテーマは「エネルギー安全保障と石炭火力」です。 ホルムズ海峡で日本のタンカーが攻撃され、久しぶりにエネルギー安全保障が注目されています。原子力だけで
-
国会で語られた「CO₂の恵み」 2026年5月26日、参議院環境委員会の参考人質疑において、杉山大志氏(キヤノングローバル戦略研究所)は太陽光発電の廃棄物問題に関連して、脱炭素政策の根拠そのものへの疑問を呈した。 その中
-
田中 雄三 先進国と異なり4~5%の経済成長を続ける中国は、必然的にエネルギー消費量が増加します。CO2排出量を減少に転じるには、エネルギー消費の増加を帳消しにするCO2削減策の実施が必要になります。 2030年までに効
-
小泉・細川“原発愉快犯”のせいで東京都知事選は、世間の関心を高めた。マスコミにとって重要だったのはいかに公平に広く情報を提供するかだが、はっきりしたのは脱原発新聞の視野の狭さと思考の浅薄さ。都知事選だというのに脱原発に集中した。こんなマスコミで日本の将来は大丈夫かという不安が見えた。佐伯啓思・京大教授は1月27日付産経新聞朝刊のコラムで「原発問題争点にならず」と題して次のように書いた。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間
















