今週のアップデート - 福島原発事故の教訓とは(2014年10月6日)

2014年10月06日 18:00

アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。

今週のアップデート

1) アゴラ・シンポジウム「災害のリスク 東日本大震災に何を学ぶか」・映像

アゴラ・GEPRは9月27日に第3回アゴラ・シンポジウム「災害のリスク 東日本大震災に何を学ぶか」を開催しました。その映像を公開しました。

東南海地震とエネルギーのリスクを専門家が集い、語り合っています。有意義な情報をなるでしょう。

2) 「東日本大震災が教えるもの」畑村洋太郎氏講演要旨【アゴラ・シンポ関連】

畑村洋太郎氏が、アゴラ・シンポジウムで講演しました。畑村氏は、東京大学名誉教授であり、「失敗学」の提唱者としても知られます。政府福島原子力発電所事故調査・検証委員会では委員長として報告をまとめています。平易な言葉で示される奥深い思想を、ぜひ参考にしてください。

3) 中川恵一・東京大学准教授に聞く 低線量被ばくの誤解と真実・2−福島で甲状腺がんは増えたか?

4) 中川恵一・東京大学准教授に聞く 低線量被ばくの誤解と真実・3−福島へのメッセージ

東大病院の中川先生に、低線量被ばくをめぐる質問に、分かりやすく答えていただきました。全3回で、2と3を公開します。

今週のリンク

1)震災伝承館

国土交通省東北地方整備局ホームページ。畑村氏の講演で言及された、災害復旧で成果を上げた機関の震災記録です。経験を継承するために、つくられた映像、写真サイト。経験を継承する情報が集まっています。

2)【再生可能エネルギーの買い取り制度】固定買い取り抜本改定へ 送電網の容量限界で、再生エネ普及に影響

共同通信9月26日記事。再エネが支援制度で普及しすぎ、電力会社が買い取りを拒否し、固定価格買い取り制度の見直しが検討されています。普及は成功したものの、補助金バブルが発生したことは、修正するべきでしょう。

3)再生可能エネルギー賦課金「3.12円/kWh、単年度総額2.7兆円」と政府試算

日本商工会議所ニュース。9月30日記事。経産省が、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、現在計画中の再エネがすべて稼働したとき、キロワットアワーあたり3.12円の付加金でも、単年度総額で2.7兆円になると試算しました。既存メディアは大きく伝えていませんが、大変な負担となります。(経産省資料・直近の認定量が全て運転開始した場合の賦課金等について)

4)米、韓国の「使用済み核燃料の再処理」を容認

東亜日報(韓国紙)9月30日記事。核拡散を恐れ、プルトニウム製造技術の拡散を抑える政策を常に取り続ける米国が、珍しく韓国の再処理を容認する意向のようです。

5)原発避難解除 帰還者をしっかりと支えよう

読売新聞10月5日社説。福島原発事故後の避難が一部解除されたことを受け、地域社会と生活の再建を呼びかける記事です。畑村氏の講演にあったように、災害対策には、こうした長期的視点が必要です。

 

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  • アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。

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