アメリカのエネルギーの未来

2012年03月12日 15:00

要旨

技術革新はアメリカの経済力と発展に欠かせないものである。新しいアイデアと技術発展が本質的に我々の生活の質を決める。これらは、アメリカが世界の指導権を持ち続けること、継続的経済成長、そして新しい産業における雇用創出の促進の鍵である。

合衆国の歴史において、連邦政府は、いくつかあげるだけでも、防衛、保健、農業、情報技術といったさまざまな戦略的分野におけるイノベーションの促進・推進や技術開発の中心的な役割を果たしてきた。

しかしながら、イノベーションが決定的役割を果たす経済の全ての分野において、特にエネルギー分野が際立っている。容易に安定した手ごろな各種エネルギーを入手できるのは、大規模経済の機能に不可欠なだけでなく、人々の日常生活にも欠かせないものである。また、国の安全保障、環境保全、経済競争力へも影響する。

(中略)

米国の連邦政府は、エネルギー技術革新に果たすべき重要な役割を担っている。政府のエネルギーの技術革新の制度は、効果的に現実の成果を達成するために再構成することもできるだろう。この分野において公共投資を適切に支出する方法もいくつかある。

米国が新技術を作り出すことや、5兆ドルにものぼる世界のエネルギー産業の転換と活性化させる新しい市場、雇用創出に失敗した場合に、米国民は間違いなく世界における最も巨大で、かつ広汎な技術部門を先導する機会を失うだろう。しかし米国が正常にクリーンエネルギーで成果のある革新を成し遂げれば、莫大な利益を享受できる。

国家として、党派的利益や、政治的思惑を脇において、クリーンエネルギーのゴールを達成する道に踏み出すべきときだ。

This page as PDF

関連記事

  • 前稿において欧州委員会がEUタクソノミーの対象に原子力を含める方向を示したことを紹介した。エネルギー危機と温暖化対応に取り組む上でしごく真っ当な判断であると思う。原子力について国によって様々な立場があることは当然である。
  • いま国家戦略室がパブリックコメントを求めている「エネルギー・環境に関する選択」にコメントしようと思って、関連の資料も含めて読んだが、あまりにもお粗末なのでやめた。ニューズウィークにも書いたように、3つの「シナリオ」は選択肢として体をなしていない。それぞれの選択のメリットとコストが明示されていないからだ。
  • 経産省が、水素・アンモニアを非化石エネルギー源に位置づけるとの報道が出た。「製造時にCO2を排出するグレー水素・アンモニアも、燃焼の瞬間はCO2を出さないことから非化石エネルギー源に定義する」とか。その前にも経産省は22
  • 1. メガソーラーの実態 政府が推進する「再生可能エネルギーの主力電源化」政策に呼応し、全国各地で大規模な太陽光発電所(メガソーラー)事業が展開されている。 しかし、自然の中に敷き詰められた太陽光パネルの枚数や占有面積が
  • 我が国の2030年度の温室効果ガスの削減目標について、2050年カーボンニュートラルと整合的で、野心的な目標として、2013年度から46%削減を目指すこと、さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていきます。トップレベルの
  • 新たなエネルギー政策案が示す未来 昨年末も押し迫って政府の第7次エネルギー基本計画案、地球温暖化対策計画案、そしてGX2040ビジョンという今後の我が国の環境・エネルギー・産業・経済成長政策の3点セットがそれぞれの審議会
  • アゴラ研究所の運営するインターネット放送の「言論アリーナ」。8月6日の放送は自民党衆議院議員の細田健一氏を招き「エネルギー危機を起こすな」を放送した。それを報告する。
  • ソーラーシェアリングとはなにか 2月末に出演した「朝まで生テレビ」で、菅直人元総理が、これから日本の選ぶべき電源構成は、原発はゼロ、太陽光や風力の再生可能エネルギーが主役になる———しかも、太陽光は営農型に大きな可能性が

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑