原子力により防がれた従来および予測される死亡者数および温室効果ガスの排出量
米国化学会機関誌「Environmental Science and Technology」47号、2013年掲載 (記事、英語では全文公開)
要約:
2011年3月の福島第一原子力発電所事故の余波により、今後の世界的エネルギー供給への原子力の貢献はいくぶん不確かなものとなった。原子力は潤沢で低炭素のベースロード電源であるため、世界的な気候変動と大気汚染緩和に大きな貢献をすることができるものだ。過去の生産データを用いた我々の計算では、地球の原子力は平均して、化石燃料燃焼した場合の大気汚染に関連した184万人の死、そして、二酸化炭素換算64ギガトン(GtCO2-eq)の温室効果ガス排出を防止した。福島事故を考慮した世界的な投影データに基づいて、どの化石燃料におきかえられるかにもよるが、今世紀半ばまでに原子力はさらなる化石燃料による平均42万〜104万人の死および80〜240GtCO2-eqの排出を防止することができることがわかった。対照的に我々は、制約のない天然ガス使用の大規模な拡大は気候問題緩和にはならず、原子力の利用拡大よりもはるかに多くの死をもたらすと評価する。
(2013年8月26日掲載)
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