今週のアップデート - 東日本大震災、福島事故の課題を考える(2014年9月29日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
1) アゴラ・シンポジウム「災害のリスク 東日本大震災に何を学ぶか」
アゴラ研究所は、「災害のリスク 東日本大震災から何を学ぶか」を開催しました。ニコニコ生放送で公式放送となりました。今後ユーチューブ、また記事の形で報告します。ニコ生(会員限定)ですが、放送を紹介します。
2) 中川恵一・東京大学准教授に聞く 低線量被ばくの誤解と真実・1-発がんは増えますか?
東大病院の中川先生に、低線量被ばくをめぐる質問に、分かりやすく答えていただきました。全3回で問題を分析します。第一回目は発がんについてです。残り2回は来週紹介します。
今週のリンク
ウェッジ(ウェブ版)。9月29日掲載。国際環境経済研究所の澤昭裕氏の指摘です。原子力規制委員会の問題だけではなく、事業者側の注意点を分析しています。事業者は、当局任せではなく、自発的に原子力の安全確保に責任を負うことを呼びかけています。
2)避難先から戻って来た人、戻って来たい人を叩くことはしないで、今まで通り接して下さい。 イジメちゃダメだぞ!
ツイッターまとめ。原発事故直後にパニックになり避難した人との対話が記録。こうした人は社会に少数ながらいるようです。こうした人々の状況はなかなか分からないゆえに、紹介します。他人の視線を過度に気にしているようなので、こうした人々を温かく受け止めることが必要でしょう。
ハフィントンポスト9月26日記事。福島の野菜で作ったいわき市の芸術家のスープを、作品として英国の美術祭典が出展。「芸術」や「表現の自由」の名目で、おかしなイメージの拡散が続くことにうんざりです。ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんの適切なコメントが参考になります。
ナショナル・ジオグラフィック日本版(日経掲載)、9月28日。チェルノブイリをめぐり観光ツアーが行われています。そのルポ。周辺の廃墟の情景描写が中心です。
日経新聞9月28日記事。北電は昨年7月の平均7.73%の値上げに加え、今年11月にも16%前後の値上げをします。その概要が固まりました。しかし原発停止の長期化による同社の経費上昇は続き、値上げでも、経営が完全に改善できるか不透明です。

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言論アリーナ「柏崎原発は動くのか~迷走する原子力行政を考える~ 」を公開しました。 ほかの番組はこちらから。 東電の柏崎刈羽原発6・7号機が原子力規制委員会の審査に合格しましたが、地元が反対しているので、いつ再稼動で
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今月の14日から15日にかけて、青森県六ヶ所村の再処理施設などを見学し、関係者の話を聞いた。大筋は今までと同じで、GEPRで元NUMO(原子力発電環境整備機構)の河田東海夫氏も書いているように「高速増殖炉の実用化する見通しはない」「再処理のコストは直接処分より約1円/kWh高い」「そのメリットは廃棄物の体積を小さくする」ということだ。
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はじめに ひところは世界の原発建設は日本がリードしていた。しかし、原発の事故後は雲行きがおかしい。米国、リトアニア、トルコで日本企業が手掛けていた原発が、いずれも中止や撤退になっているからだ。順調に進んでいると見られてい
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3.11から7年が経過したが、我が国の原子力は相変わらずかつてない苦境に陥っており、とくに核燃料サイクルやバックエンド分野(再処理、プルトニウム利用、廃棄物処分など)では様々な困難に直面している。とりわけプルトニウム問題
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原子力規制委員会の活動は、法律違反と言えるものが多い。その組織に対しては、やはり外からのチェックが必要であろう。
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