今週のアップデート - 再エネの健全な成長のために(2014年12月1日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
山家公雄エネルギー戦略研究所研究所長の寄稿。山家氏は、再エネの振興の論客として知られています。電力接続の再エネの量が大きすぎ、電力会社が接続拒否をする問題が生じています。山家氏は現状で、負担少なくできる合理的な拡充対策を提案しています。アゴラは再エネの現在の振興策に対して、懐疑的な意見を数多く紹介しましたが、別の視点からの分析です。
2) 「故郷に住むのは当然だ」チェルノブイリ、自主帰還の近郊住民と語る(上)
GEPR編集者の石井孝明が、チェルノブイリを訪問。自主帰還の近郊住民と話しました。それを福島の避難政策と対比してまとめました。
今週のリンク
ロイター通信、11月28日記事。原油価格が暴落し、1バレル65ドル前後と、ドル建てで5年ぶりの安値水準となっています。これが世界経済にプラスとなる一方、産油国に混乱を招いています。その概観リポート。
アゴラ、11月29日記事。池田信夫アゴラ研究所所長。原油価格の下落は日本経済にとってはプラスですが、インフレ目標というおかしな政策を採用した日銀にとって、政策のつじつまを合わせなければなりません。その問題点を指摘しています。
TED日本版。無料による10分プレゼンのTEDで、今回GEPRで紹介したチェルノブイリの自主帰還者問題が取り上げられていました。英国のジャーナリスト。ただし、「人は故郷に戻りたい」ためという帰還の理由付けは単純すぎるように思います。
個人映像。英語。英国のカメラマン、ダニー・クック氏が、無人飛行機を使って、チェルノブイリ原発に隣接した人口都市で、原発事故で放棄されて廃墟になったプリピャチ市を空撮しました。技術進化に驚くと共に、緑に覆われた28年前の近代都市の面影が興味深いです。
5)再生可能エネルギー固定価格買取制度見直しと太陽光発電拡大への課題
ニッポンコム(オピニオンサイト)。一橋大学橘川武郎教授の論考。北欧などを参考にするのではなく、エネルギー源の一つとして再エネを育成をすることを提案。送電線整備以外のエネルギーの可能性、例えば電気と水素を結びつけることなどにも言及しています。

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要旨「数値目標を1%上積みするごとに、年間1兆円の費用がかかる。これは1トンCO2あたり10万円かかることを意味する。数値目標の本当のコストは途方もなく大きいので、安易な深掘りは禁物である。」
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