今週のアップデート - エネルギー理解のために(2015年10月5日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
高橋実東京工業大学の原子炉工学研究所教授に寄稿いただきました。正確な情報が広がらず、それが原子力の問題を複雑にしているとの指摘です。説明する努力と取り組みが不足した面があります。
2) 日本のプルトニウム問題を解決するための現実的なアプローチ
カーネギー国際平和財団原子力政策プログラムディレクターのジェームス・M・アクトン氏の論文です。要旨を日本語訳しました。米国、他国の専門家は日本のプルトニウム保有問題を大変注目しています。(英語原典のホームページ)
3) 風化、風評被害との戦い続く-高木経産副大臣【復興進む福島7】
専門誌エネルギーフォーラムから原稿の転載。高木陽介・経済産業副大臣(原子力災害現地対策本部長)に、浜通りの復興の現状を語っていただきました。風化、風評被害の「2つの風」の問題が起こっているそうです。
エネルギーフォーラムからの原稿の転載。福島浜通りでの、高校生の社会へ提言する会議の取り組みです。主催するNPOハッピーロードネットの西本代表のインタビューも含め、人々が冷静に、前向きに現実に向き合う姿が印象的です。
2015年10月1日放送。出演は、有馬純(東京大学公共政策大学院教授)、池田信夫(アゴラ研究所所長)、司会は石井孝明(ジャーナリスト・GEPR編集者)の各氏。有馬氏は、経産省で、地球温暖化問題の首席交渉官。年末のCOP21に向け、これまでの交渉を振り返り、今後何をすべきかを議論しました。これは近日記事化の予定です。
今週のリンク
池田信夫アゴラ研究所所長のコラム。反資本主義の運動、途上国による南北問題の主張に、地球環境問題は巻き込まれやすいという指摘です。
2)米国の原子力は制限された市場で運営される-サザンカンパニーCEO
エネルギー通信社プラッツの10月1日の記事。原題は「US new nuclear plants coming in regulated markets: Southern Company CEO」。シェールガスとの競争、そして初期投資のための巨額の財務負担から、原子力事業をできる企業はアメリカで限られるという見通しです。米国では送配電、発電を含め3000もの電力関係企業が電力事業にかかわります。
日本経済新聞10月4日記事。原子力規制庁は情報漏洩が多く、その管理能力が疑問視されています。
IEA(国際エネルギー)機関の毎年刊行のリポートです。10月2日公開。「全世界の再生可能エネルギーは今後5年間で7000億ワット分増える。新興経済国が中心で、特に中国は全体の40%を占める。建設・発電コストが安くなっており、さらに、新しい市場が拡大しつづけているからだ。ただし、各国政府の政策が不安定ならこの拡大傾向にブレーキがかかるだろう」。こうした予想を示しています。
日本主導による温暖化対策の技術会議のホームページです。10月7-8日に東京で会議が開催されます。「できること」を冷静に並べる取り組みは意義深いもの。日本の強みである技術力も活かせます。

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GEPRの14年2月の記事。再掲載。原子力規制委員会の手続きおける、法律上の問題について分析している。違法行為がかなり多い
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