今週のアップデート - 世論調査は事実か?(2016年5月23日)
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今週のアップデート
1) 原発活断層判定、“ものづくり”への配慮を-規制への提言
東京大学名誉教授で、日本の地質学研究、資源開発などに大きな業績を残した小島圭二さんに寄稿いただきました。原発と地震の問題について、事業者や経済活動への配慮の足りない現在の原子力規制委員会の行動に疑問を示し、改善の提言をしています。
常葉大学教授の山本隆三さんの論考です。世論調査が社会の実際の動きと外れているという感想をよく聞きます。山本さんは、自分の行った原子力の世論調査で、支持が上回ったことを題材に、世論調査の正確さへの疑問を示しています。
3) 除染目標、年5mSvに引き上げるべき-福島帰還促進のための提案
高エネルギー加速器研究機構名誉教授である川合将義さんなど、原子力界の専門家が高木毅復興担当大臣に、除染目標引き上げを提言しました。現状で健康被害はないために無駄な経費削減を強調。意義深い内容で、紹介します。
今週のリンク
河北新報5月22日記事。福島事故で除染は森林部門でまだ行われていません。それでも5年の経過と共に、空間線量は着実に減少しています。
朝日新聞5月21日記事。高速増殖炉の実験炉のもんじゅは存続の方向のようです。しかし、その具体的な姿はまだ見えていません。文部科学大臣の諮問機関での議論が進んでいます。その中間報告の記事です。
共同通信5月21日記事。米ホワイトハウスの国家安全保障会議の軍縮担当部長が、日本の核燃料サイクルの見直しの場合には支持し、2018年に迫る日米原子力協定について「議論になる」と発言しました。米民主党の政権、議会からは日本のプルトニウム大量保有について、疑問が出ています。
4)核燃料税見直しで搬出促進割導入 福井県、課税額は年30億円の見通し
福井新聞5月19日記事。福井県が使用済み核燃料に課税する条例をつくりました。県外搬出を促すためですが、すぐに保管地はみつからないため、増税の意図もあるようです。原発が長期停止する中で、このような税金をつくることは、疑問です。
サイエンスアラート(米科学ポータルサイト)5月19日記事。原題は「Portugal just ran for 4 straight days entirely on renewable energy」。5月初旬に4日間再エネ発電だけで、国が運営されたそうです。ここに書かれていませんが、ポルトガルの電力需要規模は日本の20分の1程度(530億kWh)で、四国電力程度でした。再エネの可能性を示すものの、特別な例でしょう。

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