今週のアップデート=核燃料サイクルの価値(16年10月20日)

2016年10月20日 11:18

アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPRはサイトを更新しました。

今週のアップデート

1)非在来型ウランと核燃料サイクル

アゴラ研究所、池田信夫氏の論考です。もんじゅは廃炉の方向のようですが核燃料サイクルは継続の方向です。しかし、その論拠の一つである、ウラン燃料が枯渇するのでサイクルを維持するという発言はただしいのでしょうか。それを検証していますが、だいぶ余る状況が出ています。コスト面から慎重な検討が必要でしょう。

2)提言-「原子力規制委員会」のさらなる展開を期待して

原子力情報の啓発と対話を行う民間団体の原子力国民会議が、12月1日に原子力政策、原子力規制政策をめぐるシンポジウムを行います。その提言書です。建設的な規制をすることの呼びかけで、これはアゴラ・GEPRがこれまで主張してきたことです。

3)東京大停電、58万戸に影響、東電負担のしわ寄せか?

東京で停電がありました。35年前に敷設されたケーブルの発火でした。福島事故後、東電に過重な負担を与える動きがありました。その影響が懸念されます。

(継続掲載)

4)核燃料サイクルに未来はあるか

池田信夫アゴラ研究所所長の論考です。もんじゅが正式決定ではないものの、廃炉の方向に追い込まれつつあります。これまでの議論、核燃料サイクルについての分析をまとめています。既存の政策の継続についての疑問を示し、選択肢の整備を主張しています。

5 )高速炉開発の意義を原点に戻って考えよう

もんじゅ開発を担当した技術者の論考です。上記と対象的な意見で、日本のエネルギーの自立のため、また資源枯渇に備えた高速炉の必要性を訴えています。

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