東京で史上最強の大雨が降ったのは何年前か?
国土交通省の資料「河川砂防技術基準 調査編」を見ていたら印象的な図があった。東京の毎年の1日の降水量の最大値だ。
ダントツに多いのが1958年。狩野川台風によるものだ。気象庁ホームページを見ると372ミリとなっている。図は2010年で切れているが、同ホームページを見ても、まだこの記録は破られておらず、2位(278ミリ、1938年)以下を大きく引き離している。
ということは、油断大敵である。地球温暖化がどうであるかに関係なく、またこのような大雨が何時降るか分からない、ということだからだ。昔あったことは、またあるかもしれない。
ちなみに、この国道交通省資料では、統計的検定もしている。それによると、1876年から1950年までの間では雨量は有意に増加しているが、1876年から2010年までとなると、有意に増加していない、という。
「地球温暖化によって1950年以降に雨量の増加が加速した」という傾向は、このデータからは読み取れない、ということだ。
■

関連記事
-
福島では、未だに故郷を追われた16万人の人々が、不自由と不安のうちに出口の見えない避難生活を強いられている。首都圏では、毎週金曜日に官邸前で再稼働反対のデモが続けられている。そして、原子力規制庁が発足したが、規制委員会委員長は、委員会は再稼働の判断をしないと断言している。それはおかしいのではないか。
-
福島第一原発事故を受けて、日本のエネルギー政策は混乱を続けている。そして、原発が争点になりそうな衆議院の解散総選挙が迫る。読者の皆さまに役立てるため、現状と主要政党のエネルギー政策を整理する。
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 前稿で科学とのつき合い方について論じたが、最近経験したことから、改めて考えさせられたことについて述べたい。 それは、ある市の委員会でのことだった。ある教授が「2050年カーボン
-
アメリカでは地球温暖化も党派問題になっている。民主党系は「温暖化は深刻な脅威で、2050年CO2ゼロといった極端な温暖化対策が必要だ」とする。対して共和党系は「それほど深刻な問題ではなく、極端な対策は必要ない」とする。
-
ポーランドの首都ワルシャワから、雪が降ったばかりの福島に到着したのは、2月2日の夜遅くでした。1年のうち、1月末から2月が、福島においては最も寒い季節だと聞きました。福島よりもさらに寒いワルシャワからやって来た私には、寒さはあまり気にならず、むしろ、福島でお目にかかった皆さんのおもてなしや、誠実な振る舞いに、心が温められるような滞在となりました。いくつかの交流のうち特に印象深かったのが、地元住民との食の安全に関する対話です。それは福島に到着した翌朝、川内村で始まりました。
-
先日のTBS「報道特集」で「有機農業の未来は?」との特集が放送され、YouTubeにも載っている。なかなか刺激的な内容だった。 有機農業とは、農薬や化学肥料を使わずに作物を栽培する農法で、病虫害に遭いやすく収穫量が少ない
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク、GEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。 今週のアップデート 1)核燃料サイクルに未来はあるか 池田信夫アゴラ研究所所長の論考です
-
原発事故当時、東京電力の福島第1原発所長だった、吉田昌郎氏が7月9日に亡くなった。ご冥福をお祈りします。GEPRでは、吉田氏にインタビューしたジャーナリスト門田隆将氏の講演。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間