RFK Jr.の2024年大統領選出馬表明と気候変動発言

2023年05月10日 07:00
アバター画像
技術士事務所代表

出馬表明したロバート・F・ケネディ・ジュニア氏
kennedy24.comより

4月5日、ロバート・F・ケネディ・ジュニアが、2024年の大統領選に立候補するために、連邦選挙委員会に書類を提出した。ケネディ氏は、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥で、暗殺されたロバート・F・ケネディ元司法長官の息子である。

ケネディ氏は、環境問題を扱う弁護士として、ニューヨーク州のハドソン川浄化活動に取り組むなど、水に関するキャンペーンを展開して称賛を浴びてきた。一方で、数年前から反ワクチンの主張を唱えている。

3月のツイートでは、「私が立候補したら、米国経済を崩壊させ、中産階級をバラバラにし、この国の風景や水を汚染し、子どもにダメージを与え、私たちの価値と自由を奪ってきた、腐敗した国家と企業権力の合併を終わらせる。これが最優先事項だ」と述べている。

また、気候変動について、ケネディ氏が表明した見解を要約すると以下のようになる。

  • COVIDが悪用されたのと同じく、気候変動は、全体主義によって社会を支配しようとする超富裕層によって、社会を締め付ける口実として利用されている。世界経済フォーラムも全体主義社会を生み出すために気候政策を利用している。
  • 我々には、科学技術を駆使して開発したとされる解決策が提示される。これらの解決策を推進しているのは、そうした技術の特許を有している人々だ。
  • 気候変動は貧しい人々の富を奪い、億万長者を豊かにするために利用される危機の一つに過ぎない。それが気候変動を悪者にした彼らのやり方であり、多くの人たちが理解するようになってきた。
  • 私は、40年間、気候問題と科学技術の在り方について一貫した方針をとってきた。1980年代の私の演説をチェックして貰えば分る事だが、環境問題の最も重要な解決策はトップダウンによる規制ではなく、自由市場資本主義だ。
  • 米国にあるのは自由市場資本主義ではなく、金持ちには快適な社会主義ともいえる企業の縁故資本主義だ。それは、貧しい人々にとっての残忍で野蛮で容赦のない資本主義だ。
  • 私は、田舎や労働者階級のアメリカ人、特に猟師や漁師と協力したい。これらの人たちは、環境コミュニティの本流から疎外されている。
  • 企業やその他のグループで気候虚言を支持する者たちは罰を受けるべきだ。
  • 民主党は道に迷い、戦争、企業利益、検閲の党になり下がってしまった。2024年大統領選に私が出馬表明した理由はそこにある。

(引用元:RFK Jr. Says Climate Change Being Exploited to Push ‘Totalitarian Controls’ (theepochtimes.com)

今後、ケネディ氏は、再選の立候補を表明したジョー・バイデン大統領らと見えることになるが、民主党には気候変動を推進する議員が多い。今回、民主党から出馬表明をしたケネディ氏が気候変動に対してこのような意見表明をしたのを知り、意外な印象を持った。

米国における気候変動について、先月ピュー・リサーチ・センターが最新の調査結果を発表している。その結果の一つを紹介する。

このチャートから、以下のことが言える。

  • 米国人の67%は再エネだけに頼ることに慎重であり、化石燃料と再エネを組み合わせたエネルギーミックスが重要だと考えている。
  • 多くの米国人は段階的な化石燃料廃止には消極的だが、若い世代はよりオープンである。
  • 民主党員と民主党支持者の間では、18 歳から 29 歳までの62%が化石燃料の完全廃止を支持、50 歳以上の民主党員は約40%が支持している。
  • 共和党員のすべての年齢層で、石油、石炭、天然ガスなどのエネルギー源を組み合わせて使用​​し続けることを支持している。18 歳から 29 歳までの共和党員の22%が、米国は化石燃料を段階的に廃止すべきだと考えており、そのように考える50 歳以上の共和党員は10%未満である。

この調査結果を基に、我が国保守、自由民主党の環境政策を振り返ってみると、再エネ推進という声ばかりが聞こえ、再エネ議連などのニュースは報道されるが、積極的に化石燃料も利用していくべきだという声はほとんど聞かれない。

さて、バイデン政権や左派リベラル民主党は、超富裕層の意を受けてか、ワクチン、気候変動、CRT、LGBTQ+などを米国の内外に推進しようとしている。我が国政府も、唯々諾々と追従しているように見えてならない。

ケネディ氏は、2024年大統領選出馬表明に当たって、「民主党は道に迷い、戦争、企業利益、検閲の党になり下がってしまった」と説明した。

それでも、民主党の大統領選候補としては、バイデン氏が依然として有力視されているが、Fox Newsの最近の世論調査によれば、ケネディ氏は民主党の有権者の間でも20%前後の支持を得ているという。

バイデン親子には、中国やウクライナなどから多額の報酬を受け取っていたなどの疑惑が付いて回る。下院共和党から追及されるという話も出ており、大統領選の行方にも影響を与える。

正論を唱えるケネディ氏が大統領選を勝ち抜くのか、或いは、徒花で終わってしまうのか、今後の動向が気になるところである。

This page as PDF

関連記事

  • 福島第1原子力発電所の事故以降、メディアのみならず政府内でも、発送電分離論が再燃している。しかし、発送電分離とは余剰発電設備の存在を前提に、発電分野における競争を促進することを目的とするもので、余剰設備どころか電力不足が懸念されている状況下で議論する話ではない。
  • 2024年7月24日各新聞に「原発の建設費を電気料金に上乗せ、経産省が新制度け検討 自由化に逆行(朝日新聞デジタル)」などの報道がありました。 一方、キヤノングローバル戦略研究所杉山大志氏の「電気代が高い理由は3つ:みん
  • アゴラ・GEPRは、NHNJapanの運営する言論サイトBLOGOS 、またニコニコ生放送を運営するドワンゴ社と協力してシンポジウム「エネルギー政策・新政権への提言」を11月26、27日の2日に渡って行いました。
  • 検証抜きの「仮定法」 ベストセラーになった斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(以下、斎藤本)の特徴の一つに、随所に「仮定法」を連発する手法が指摘できる。私はこれを「勝手なイフ論」と命名した。 この場合、科学的な「仮説」と「
  • 原子力発電の先行きについて、コストが問題になっています。その資金を供給する金融界に、原発に反対する市民グループが意見を表明するようになっています。国際環境NGOのA SEED JAPANで活動する土谷和之さんに「原発への投融資をどう考えるか?--市民から金融機関への働きかけ」を寄稿いただきました。反原発運動というと、過激さなどが注目されがちです。しかし冷静な市民運動は、原発をめぐる議論の深化へ役立つかもしれません。
  • いま国家戦略室がパブリックコメントを求めている「エネルギー・環境に関する選択」にコメントしようと思って、関連の資料も含めて読んだが、あまりにもお粗末なのでやめた。ニューズウィークにも書いたように、3つの「シナリオ」は選択肢として体をなしていない。それぞれの選択のメリットとコストが明示されていないからだ。
  • 小泉環境相が悩んでいる。COP25で「日本が石炭火力を増やすのはおかしい」と批判され、政府内でも「石炭を減らせないか」と根回ししたが、相手にされなかったようだ。 彼の目標は正しい。石炭は大気汚染でもCO2排出でも最悪の燃
  • 今年の7~8月、東京電力管内の予備率が3%ぎりぎりになる見通しで、政府は節電要請を出した。日本の発電設備は減り続けており、停電はこれから日常的になる。年配の人なら、停電になってロウソクで暮らした記憶があるだろう。あの昭和

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑