またひとつ、金融気候カルテルが消滅

gremlin/iStock
2024年6月に米国下院司法委員会がGFANZ、NZBAなど金融機関による脱炭素連合を「気候カルテル」「独禁法違反」「消費者保護法違反」と指摘して以来、次々とイニシアチブが瓦解しました。
以下は、筆者がアゴラで紹介してきた金融気候カルテルの記事です(なお、昨年からはCDP、SBTi、牛のゲップゼロ同盟など民間のイニシアチブに対する気候カルテル取り締まりも増えていますが本稿では省略します)。
- 米下院司法委が大手金融機関と左翼活動家の気候カルテルを暴く
- 気候カルテルの構図はまるで下請け孫請けいじめ
- 気候カルテルは司法委員会の調査から逃げ回る
- 「ESGに取り組まないと資金調達ができない」はフェイクだと米下院が暴露
- 気候カルテルの中にもいる頓馬さん
- 米国11州による気候カルテル訴訟が本格化
さて、この金融気候カルテル崩壊に関して最新の話題をご紹介します。
Net Zero Financial Service Providers Alliance Disbands – ESG Today
NZFSPA(ネットゼロ金融サービスプロバイダーアライアンス)は、証券取引所、リサーチ・データ提供者、インデックス提供者、監査人からなる連合体で、金融セクターがネットゼロのコミットメントを推進することを目的としているが、本日、独立したイニシアチブとして機能しないことを発表した。これは、一連のネットゼロ金融サービスグループの中でも、大幅に再編または解散する最新組織となる。
横文字のイニシアチブがたくさんあっていちいち覚える気にもなりませんが、今回のNZFSPAは結構な大物のようです。前掲記事の続きをご覧ください。
2021年にデロイト、EY、KPMG、PwC、S&Pグローバル、ムーディーズ、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)など18の創設メンバーとともに開始され、会員は投資家や金融業者がネットゼロ目標を達成できるよう関連サービスと製品の整合性を約束し、科学的基盤に基づく気候目標を設定することも約束した。NZFSPAの会員は、取引所、監査人、インデックス提供者、研究・データ提供者の4つの主要な機能カテゴリーで組織されていた。
また、このグループは国連支援のグラスゴー・ファイナンシャル・アライアンス・フォー・ネット・ゼロ(GFANZ)の一部であり、金融業界の気候団体の傘下組織であり、ネットゼロ銀行同盟(NZBA)、ネットゼロ資産運用イニシアチブ(NZAM)、ネットゼロ資産所有者同盟(NZAOA)などの連合も含まれていた。
反ESGの米国共和党が海外のイニシアチブをいじめているだけだろう、なんて軽く考えてはなりません。日本の産業界にも影響しています。
このNZFSPA、我が国では2023年12月に日本取引所グループ(JPX)が加盟したのだとか。あちゃー。たったの2年前。
Net Zero Financial Services Providers Allianceへの加盟について | 日本取引所グループ
株式会社日本取引所グループ(以下、JPX)は、脱炭素社会の実現に貢献すべく、Net Zero Financial Services Providers Alliance(NZFSPA)に加盟しました。
NZFSPAは、産業革命前からの世界の平均気温上昇を1.5度未満に抑えるため、2050年までに世界の温室効果ガス排出量のネットゼロを実現するという目標への貢献にコミットする金融サービスプロバイダーのグローバルなイニシアティブです。
JPXのウェブサイト上でNZFSPAへの加盟を誇らしげに宣伝していますが、すべてリンク切れになっています。
赤丸部分はリンク切れ。JPXさん、ウェブサイトの適切な管理を強くお勧めします。
上記スクリーンショットのとおり、NZFSPAやGFANZなどすでに崩壊した気候カルテルにどっぷりのようです。JPXは企業理念で公共性や信頼性、市場と利用者の持続性などをうたっているのに。
2023年12月と言えば世界全体のESG投資がとっくにピークアウトして市場規模が半減していた頃。気候カルテルに加担して、誇らしげに喧伝して、たったの2年で崩壊したのです。とても長期視点を持っているとは思えません。
GXリーグ(排出量取引)に強制参加させられている企業の皆さんは、カーボン・クレジット市場の運営者であるJPXのこうした姿勢をどのように感じておられるのでしょうか。
気候カルテル、独禁法違反、消費者保護法違反として司法から取り締まりの対象にされているイニシアチブに参加するのはESGのS(社会性)とG(ガバナンス)に反します。
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