議員先生、貴県は「CO2ゼロ」で経済が崩壊します

Hiroko Yoshida/iStock
日本政府はCO2を2030年までに46%減、2050年までにゼロにするとしている。
これに追随して多くの地方自治体も2050年にCO2ゼロを宣言している。
けれども、これが地方経済を破壊することをご存知だろうか。
図は、環境省がまとめた県別の産業活動によるCO2排出量である。図中で「特定事業所」とあるのは一定規模以上の事業所ということである。

CO2排出量は、日本の工業地帯である「太平洋ベルト」の都道府県で多い。千葉、愛知、兵庫、岡山、広島、山口、大分などだ。これらの地域では鉄鋼、石油、化学を始め、製造業が盛んだ。
既存の工場のCO2を安価かつ大幅に減らす魔法のような技術は存在しない。
日本の製造業は常に国際競争に晒されている。CO2を極端に減らすために莫大な出費をすれば会社が潰れてしまう。
太平洋ベルトは消滅する。
すでに多くの産業は海外に出ており、自動車も鉄鋼も海外に生産の重心は移ってしまっている。
いまこの瞬間にも、日本政府の極端なCO2削減策を見た企業経営者の多くは、日本での生産を止めることを考えているのではなかろうか。
雇用が失われ地域経済が崩壊する。心ある政治家はこの現実を直視し無謀なCO2削減策に異を唱えるべきだ。
■
関連記事
-
去る7月14日、欧州委員会は2050年カーボンニュートラル、2030年温室効果ガス55%削減(90年比)の目標に向けた13の気候変動対策関連法令案を含むFit for 55パッケージを発表した。その中には、厳しい気候変動
-
「科学は必要な協力の感情、我々の努力、我々の同時代の人々の努力、更に我々の祖先と我々の子孫との努力の連帯性の感情を我々に与える」 (太字筆者。ポアンカレ、1914=1939:217、ただし現代仮名遣いに筆者が変更した)
-
ベクレルという量からは、直接、健康影響を考えることはできない。放射線による健康影響を評価するのが、実効線量(シーベルト)である。この実効線量を求めることにより、放射線による影響を家庭でも考えることができるようになる。内部被ばくを評価する場合、食べた時、吸入したときでは、影響が異なるため、異なる評価となる。放射性物質の種類によっても、影響が異なり、年齢によっても評価は異なる。
-
内閣府のエネルギー・環境会議が出した「選択肢」を見て、少しでもエネルギーを知るものは誰もがあきれるだろう。稚拙すぎるのだ。そこで国民の3つの選択肢のひとつとして「原発ゼロ」が示されている。
-
冒頭に、ちょっと面白い写真を紹介しよう。ご覧のように、トウモロコシがジェット機になって飛んでいる図だ。 要するに、トウモロコシからジェット燃料を作って飛行機を飛ばす構想を描いている。ここには”Jet Fuel
-
米軍のソレイマニ司令官殺害への報復として、イランがイラク領内の米軍基地を爆撃した。今のところ米軍兵士に死者はなく、アメリカにもイランにもこれ以上のエスカレーションの動きはみられないが、原油価格や株価には大きな影響が出てい
-
福島第一原発事故後、日本のエネルギー事情は根本的に変わりました。その一つが安定供給です。これまではスイッチをつければ電気は自由に使えましたが、これからは電力の不足が原発の停止によって恒常化する可能性があります。
-
ドイツ連邦軍の複数の退役パイロットが、中国人民解放軍で戦闘機部隊の指導に当たっているというニュースが、6月初めに流れた。シュピーゲル誌とZDF(ドイツの公営テレビ)が共同取材で得た情報だといい、これについてはNATOも中
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間
- 国内撤退、海外で2兆円:日英洋上風力合意が示すもの
- 核融合発電はなぜ、いつまでたっても「地上の太陽」になれないのか
- なぜ私たちはNHKの誤報に抗議したのか、追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺れる国際基準」の捏造を巡って
- 三菱商事撤退が示す洋上風力の幻想:日本はなぜ推進をやめられないのか
- 特定重大事故等対処施設(特重施設)とは何か
- データが示す石油輸入の中東依存度の実態
- 日本は「対中人権非難声明」の皆勤国だった!国民だけが知らない政府の二面性
- 勝負は既についている? TSMC(熊本)vs.ラピダス(北海道)
- トランプが気候変動は「いかさま」だという理由
- オーストラリアにおいてすら太陽光発電は電気料金を高くした














