今週のアップデート — 電力自由化を考える(2014年5月19日)

2014年05月19日 15:00

アゴラ研究所の運営するエネルギー・環境問題のバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。

今週のアップデート

1)自由のもたらすチャンスに注目を・エネ庁村瀬政策課長【電力システム改革を考える・上】
2)改革で広がるビジネスの可能性・村上憲郎氏、関啓一郎東大教授【電力システム改革を考える・下】

現在進行中の電力システム改革について、肯定的に受け止める意見を紹介します。村瀬佳史・経産省資源エネルギー庁電力・ガス事業部の政策課長兼電力改革室長、元グーグル日本法人代表で現在は新電力のエナリスの社外取締役を務めるなど電力問題にも詳しい村上憲郎氏、元総務官僚の東京大学公共政策大学院の関啓一郎教授の3氏にインタビューをしました。この問題には慎重な見方もあります。GEPRは多様な意見を提供し、読者の皆さまの思索の材料にします。

3)原子力に未来はあるのか

池田信夫アゴラ研究所所長のコラムです。トリウム原子炉の紹介かを軸に原子力のイノベーションを語ります。

4)原子力に未来はあるのか【言論アリーナ・映像】

アゴラ研究所の運営する映像コンテンツ「言論アリーナ」の5月13日の放送です。(リンク)出演は元原子力委員会委員長で東京工業大学名誉教授の藤家洋一さん、東工大原子炉工学研究所の澤田哲生さん。モデレーターはアゴラ研究所の池田信夫所長でした。新技術から、原子力の未来を考えました。

今週のリンク

1)安倍首相「不安除くため正確な情報発信を」

NHK5月17日放送。安倍首相が福島訪問で、正確な情報の流通の必要性を強調しました。漫画「美味しんぼ」のデマ騒動などを念頭に置いているのでしょう。(参考記事・池田信夫氏(アゴラ)「「美味しんぼ」は何も証明していない」)正確な情報による冷静な福島原発事故への対応が必要です。

2)福島第1・凍土遮水壁の実験を公開 地下水流入抑止示す

河北新報5月17日記事。東京電力福島第一原発では、事故を起こした原子炉の地下の地面を流れる地下水が問題になっています。地中に作る氷の壁でこれを防ごうという構想の実験です。現時点で、実験は成功しており、問題の解決が期待されます。

3)ドイツのエネルギー事情は今–風力や火力のために火力発電をつくっている

原子力文化振興財団「原子力文化」14年5月号記事。ドイツ在住の作家の川口マーン恵美氏と海外電力調査会東海邦博氏の対談です。原子力業界からの情報ながら、ドイツ国内のチェルノブイリ事故以降の原子力政策の推移と再生可能エネルギーの動向が分かりやすく書かれています。

4)IPCC 第5次評価第2部会報告書の疑問点 (速報)(論文)(スライド

電力中央研究所上席研究員杉山大志さんの論考。杉山さんは気候変動政策についての著名研究者で、今年発表のIPCC第5次報告の第3部会(気候変動に対応する適応策、政策)報告書の執筆者です。第2部会報告(気候変動の影響)について、やや強めの影響評価が示されているのではないかという疑問を示しています。

5)ウクライナ情勢とアジア・エネルギー地政学へのインプリケーション

日本エネルギー経済研究所首席研究員の小山堅氏の論考です。エネルギーから見た、緊張の続くウクライナ情勢の論点を整理しています。さらにロシアが中国とのガスパイプラインの建設交渉に積極的であるなど、日本では伝えられていない情報を紹介しています。

This page as PDF

関連記事

  • 2/27から3/1にかけて東京ビッグサイトにおいて太陽光発電の展示会であるPV expoが開催された。 ここ2年のPVexpoはFIT価格の下落や、太陽光発電市場の縮小を受けてやや停滞気味だったが、今年は一転「ポストFI
  • IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 前回、論点㉔で、地域ごとに見ると気温は大きく変動してきた
  • 田中 雄三 国際エネルギー機関(IEA)が公表した、世界のCO2排出量を実質ゼロとするIEAロードマップ(以下IEA-NZEと略)は高い関心を集めています。しかし、必要なのは世界のロードマップではなく、日本のロードマップ
  • 筆者は基本的な認識として、電力のビジネスモデルの歴史的大転換が必要と訴えている。そのために「リアルでポジティブな原発のたたみ方」を提唱している。
  • 新型コロナ騒動は客観的には大勢が決したと思うが、世論は意外に動かない。NHK世論調査では「緊急事態宣言を出すべきだ」と答えた人が57%にのぼった。きょう出るとみられる指定感染症の見直しについても、マスコミでは否定的な意見
  • 地球が温暖化しているといっても、ごく僅かにすぎない。気温の自然変動は大きい。 以下、MITの気候学の第一人者リチャード・リンゼンと元NASAで気温計測の嚆矢であるアラバマ大学ジョン・クリスティによる解説を紹介する。 我々
  • 日経ビジネス
    6月21日記事。ドイツ在住の日系ビジネスコンサルタントの寄稿。筆者は再エネ拡充と脱原発を評価する立場のようだが、それでも多くの問題を抱えていることを指摘している。中でも電力料金の上昇と、電力配電系統の未整備の問題があるという。
  • 「2050年のカーボンニュートラル実現には程遠い」 現実感のあるシナリオが発表された。日本エネルギー経済研究所による「IEEJ アウトルック 2023」だ。(プレスリリース、本文) 何しろここ数年、2050年のカーボンニ

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑