環境税が地方の家計を直撃する 特に寒冷地は要注意
環境税の導入の是非が政府審議会で議論されている。この夏には中間報告が出る予定だ。
もしも導入されるとなると、産業部門は国際競争にさらされているから、家庭部門の負担が大きくならざるを得ないだろう。実際に欧州諸国ではそのようになっている。

Christian Horz/iStock
ではどの地方の負担が大きくなるだろうか。
市町村単位での世帯当たりCO2排出量の推計値を見ると、以下の特徴が分かる
- 都市より農村で多い。
- 寒冷地で多い。
この結果、東京・大阪などの都市部に比べて、北海道・東北などの農村部では、世帯あたりのCO2排出量が倍になっている。

図中赤く塗られているところが世帯あたり5トン以上のCO2を出しているところだ。
5トンのCO2を出している世帯は、仮に1トンCO2あたり5000円の環境税になるとして、負担は年間2万5千円になる。
環境税が導入されるとなると、過疎化や高齢化が進む北海道や東北などの地方にとって、特に重い負担になりそうだ。寒冷地の方は要注意である。
■
関連記事
-
エネルギー政策の見直しの機運が高まり、再生可能エネルギーへの期待が広がる。国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP・FI)の特別顧問を務め、環境、エネルギー問題のオピニオンリーダーである末吉竹二郎氏の意見を聞いた。
-
スマートグリッドと呼ばれる、情報通信技術と結びついた新しい発送電網の構想が注目されています。東日本大震災と、それに伴う電力不足の中で、需要に応じた送電を、このシステムによって実施しようとしているのです。
-
はじめに 気候変動への対策として「脱炭素化」が世界的な課題となる中、化石燃料に依存しない新たなエネルギー源として注目されているのがe-fuel(合成燃料)である。自動車産業における脱炭素化の切り札として各国が政策的な後押
-
1. 太陽光発電・風力発電の導入拡大には系統用の蓄電池が必要 アメリカのGWPF(地球温暖化政策財団)アメリカン・フレンズの会長である、フランシス・マントン氏が「エネルギー貯蔵の難問」および「エネルギー貯蔵の大失敗-いつ
-
今年の7~8月、東京電力管内の予備率が3%ぎりぎりになる見通しで、政府は節電要請を出した。日本の発電設備は減り続けており、停電はこれから日常的になる。年配の人なら、停電になってロウソクで暮らした記憶があるだろう。あの昭和
-
トランプ政権の猛烈なスタートダッシュに世界が圧倒されている。ホワイトハウスのHPには、サインしたばかりの大統領令が、即日、続々とアップされた。下手な報道を見るよりも、こっちを見た方がよほど正確で早い。 トランプ政権はエネ
-
「海外の太陽、風力エネルギー資源への依存が不可欠」という認識に立った時、「海外の太陽、風力エネルギー資源を利用して、如何に大量かつ安価なエネルギーを製造し、それをどのように日本に運んでくるか」ということが重要な課題となります。
-
バラバラになった小石河連合 ちょうど3年前の2021年9月、自民党総裁選の際に、このアゴラに「小泉進次郎氏への公開質問状:小石河連合から四人組へ」という論を起こした。 https://agora-web.jp/archi
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間













