米国25州の知事が石油・ガス増産をバイデンに要請

FreezeFrames/iStock
以前にも書いたが、米国共和党は、バイデンのグリーン・ディールが米国の石油・ガス産業を弱体化させ、今日の光熱費高騰、インフレ、そしてロシア依存を招いたことを激しく批判している。
今般、ノースダコタ州のダグ・バーガム知事をはじめとする25州の共和党知事は、ジョー・バイデン大統領に対し、米国の石油とガスの生産を優先し、米国のエネルギー独立を回復するよう、書簡で要請した。
バーガム知事は言う。
バイデン大統領の見当違いの政策は、米国民を危険にさらし、アメリカを停滞させている。
大統領は反石油政策を撤回し、米国のエネルギー生産能力を解き放って消費者を守り、ロシアのような敵対国から輸入するのではなく、友人や同盟国にエネルギーを販売できる状態に我が国を戻す必要がある。
バイデン政権は、石油・ガス生産に対する規制は気候変動対策に必要だとしてきた。連邦所有地での石油・ガス採掘権の賦与を停止・制限し、キーストーン・パイプラインの建設を中止した。
ノースダコタ州の原油生産量は1日113万バレル以上、天然ガス生産量は1日290万9340MCF(千立方フィート)である。ノースダコタ州の原油の増産だけで、ロシアからの輸入を簡単に相殺できる、とバーガム知事は主張している。
米国エネルギー情報局によると、米国は日量847万バレルの原油と精製品を輸入し、このうち日量67万2000バレル(8%)がロシアからの輸入であった。また、米国の原油輸入量は610万バレル/日で、このうち19万9000バレル/日(3%)がロシアからの輸入である。
書簡に署名した州知事は、ノースダコダに加えて、アラバマ、アラスカ、アーカンソー、アリゾナ、フロリダ、ジョージア、アイダホ、インディアナ、アイオワ、メリーランド、ミシシッピ、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、ニューハンプシャー、ノースダコタ、オクラホマ、サウスカロライナ、サウスダコタ、テネシー、テキサス、ユタ、バージニア、ウエストバージニア、ワイオミングであった。
■

関連記事
-
電力供給への貢献度に見る再生可能エネルギーの立ち位置 電力各社のホームページを見ると、供給エリアの電力総需要と太陽光発電量が表示されています。それを分析することで再生可能エネルギー(ここでは最近導入がさかんな太陽光発電と
-
小泉環境大臣がベトナムで建設予定の石炭火力発電所ブンアン2について日本が融資を検討していることにつき、「日本がお金を出しているのに、プラントを作るのは中国や米国の企業であるのはおかしい」と異論を提起している。 小泉環境相
-
去る2024年6月11日に米下院司法委員会が「気候変動対策:環境、社会、ガバナンス(ESG)投資における脱炭素化の共謀を暴く」と題するレポートを公開しました。 New Report Reveals Evidence of
-
福島第一原発事故をめぐり、社会の中に冷静に問題に対処しようという動きが広がっています。その動きをGEPRは今週紹介します。
-
米国政府のエネルギー情報局(EIA)が、9月4日付で興味深いレポートを発表した。レポートのタイトルは「米国産の火力発電向け石炭輸出は欧州向けが減る一方、アジアとアフリカ向けが急増」である※1)。 ここでは米国からの火力発
-
東電の賠償・廃炉費用は21.5兆円にのぼり、経産省は崖っぷちに追い詰められた。世耕経産相は記者会見で「東電は債務超過ではない」と言ったが、来年3月までに債務の処理方法を決めないと、純資産2兆3000億円の東電は債務超過になる。
-
今年9月に国会で可決された「安全保障関連法制」を憲法違反と喧伝する人々がいた。それよりも福島原発事故後は憲法違反や法律違反の疑いのある政策が、日本でまかり通っている。この状況を放置すれば、日本の法治主義、立憲主義が壊れることになる。
-
筆者はかねがね、エネルギー・環境などの政策に関しては、科学的・技術的・論理的思考の重要さと有用性を強調してきたが、一方で、科学・技術が万能だとは思っておらず、科学や技術が人間にもたらす「結果」に関しては、楽観視していない
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間