米国政府の現実的で脱炭素全否定のエネルギー予測

2022年04月23日 07:00
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

TatyanaMishchenko/iStock

この3月に米国エネルギー省(DOE)のエネルギー情報局(EIA)が米国のエネルギー予測「Annual Energy Outlook」(AEO)を発表した(AEOホームページ解説記事)。

この予測で最も重視されるのは、現状の政策と、もっともありそうな将来の技術・価格に基づいた「参照ケース」の計算だ。

次いで、経済成長率、石油価格、再エネ価格などについて、現実的な範囲での感度分析が行われている。

もっともオーソドックスな予測方法だ。かつては日本でもプロはみんなこうやっていた。

最近、2050年にCO2をゼロにする「脱炭素」という、夢物語のような「予測」が世界中に溢れかえっている。

だがこの予測は、全く惑わされていない。さすが、米国エネルギー省のプロたちだ。

「参照ケース」では、天然ガス生産も、石油生産も、2050年になってもガンガン続く。自動車も、殆どがガソリン車のままだ。

さて一方で、バイデン政権は2030年にCO2半減、2050年にCO2ゼロと宣言している。

どちらの予測を信じますか?

This page as PDF
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

関連記事

  • 前回書いたように、11月25日に、政府は第7次エネルギー基本計画におけるCO2削減目標を2035年に60%減、2040年に73%減、という案を提示した(2013年比)。 この数字は、いずれも、2050年にCO2をゼロにす
  • 東京都に引き続いて川崎市も太陽光パネルの住宅への設置義務条例を審議している。まもなく3月17日に与野党の賛成多数で可決される見込みだ。 だが太陽光パネルには問題が山積していることはすでにこの連載で述べてきた。 そして自身
  • アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク、GEPRはサイトを更新しました。
  • 日本の自治体も参加するスマートシティ 元ゲリラ活動家の左派大統領、ダボス会議で資本主義否定のスピーチに引き続き、ハートランド研究所の動画“In the Tank”第382回ならびにダボス会議のセッション「Bold New
  • 今年の8月初旬、韓国の電力需給が逼迫し、「昨年9月に起こった予告なしの計画停電以来の危機」であること、また、過負荷により散発的な停電が起こっていることが報じられた。8月7日の電気新聞や9月3日の日本経済新聞が報じる通り、8月6日、夏季休暇シーズンの終了と気温の上昇から供給予備力が250万キロワット以下、予備率が3%台となり、同国で需要想定と供給責任を担う韓国電力取引所が5段階の電力警報のうち3番目に深刻な状況を示す「注意段階」を発令して、使用抑制を呼びかけたという。
  • 気候変動を気にしているのはエリートだけだ――英国のアンケート結果を紹介しよう。 調査した会社はIpsos MORIである。 問いは、「英国で今もっとも大事なことは何か?」というもの。コロナ、経済、Brexit、医療に続い
  • 財務情報であれば、業種も規模も異なる企業を同じ土俵で並べて投資対象として比較することができます。一方で、企業のESG対応についても公平に評価することができるのでしょうか。たとえば、同じ業種の2社があり財務状況や成長性では
  • 今週、米国とEUの共同声明に関するニュースがたくさん流れましたが、報道された中身は関税についてばかりでした。 アメリカとEUが共同声明 関税措置の詳細な内容を発表 | NHK | アメリカ アメリカがEU=ヨーロッパ連合

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑