ポエムからステマへ…自滅する進次郎、そして自民党

小泉進次郎候補SNSより
いつか来た道
自民党総裁選も中盤を過ぎた。しかしなかなか盛り上がらない。
5人の候補者が口を揃えて〝解党的出直し〟といっているが、その訴えが全く響いてこない。訴求力ゼロ。
理由は明確だ。そもそもこの〝解党的〟という言葉だが、随分昔から事あるごとに聞いている。
そのたびに私たちは騙されてきた思いがした——そのことが脳裏に蘇る。
なかんずくある総裁などは4半世紀も前に『自民党をぶっ潰す!』と勇ましかった。その御仁はいまだに自民党にぶら下がっている。
いつか来て悲嘆に暮れた道がまた私たちの前に拡がっている。
5人が口を揃えているが、どの口そしてどの表情からも真剣さや切羽詰まったものが全く感じられない。まるで念仏を唱えているようだ。
それに、もっとも重大なことは、解党的出直しのための具体策、具体的道筋を誰も示していないということ。いっそ本当に一度解党して出直せばいいのでは?
ポエムからステマへ——ステマ劇場開幕!
そんな退屈極まりない、まるで人をバカにしたような総裁選のさなか、小泉進次郎くんがやらかしちゃってくれた。
『ステマ劇場』だ。筋書きのない展開にワクワクする——さすが劇場型オヤジの血を受け継いだ小泉家4代目のボンボン政治家の為せる技なのかといいたいところだが、陳腐極まりない。
2つポイントを挙げたい。
① 今回は選挙権をまだ持たないが、すぐ大人になる中高生がステマ小泉を厳しく叩き始めていること
② もうひとつは、ステマ=景品表示法違反であって、選挙は対象外だという歪んだ指摘

地上波TVよりキャプチャ

地上波TVよりキャプチャ
①は言うまでもないが、若者の反感というか小泉陣営そして小泉進次郎本人のネットリテラシーのあまりの低さ、欠如感に呆れ返っているということで、これは今後の小泉氏の政治活動、政治生命にも大きく影を落とすこと間違いない。そしてさらにその矛先は他陣営や自民党総体に向けられている。
小泉氏の選挙区(横須賀・三浦半島あたり)に行くと、そこかしこに『ゼロ歳児からの政務活動報告』として、赤ちゃん連れで自身の政務活動報告会への参加がよびかけられていたが、トホホな状況を今回招いてしまった。
②は、某地上波情報番組で大々的に解説していたが、トンチンカンである。いかにも地上波らしい→視聴者を小バカにしている。問題の捉え方がまちがっている。小泉陣営のお粗末な、ある意味辟易するヤラセを〝ステマ(景品表示法違反)〟に擬しただけであって、この指摘は全く本質的でない。ポエムにならって擬しやすいワードを選んだだけだ。
本質はネットを悪用した誹謗中傷を組織的にやったということである。小泉氏への歯の浮くようなヨイショもおまけでついている。
ネット系、さらに特に中高生らからの辟易感はもはや侮蔑にも似たところがあり、小泉陣営のネットリテラシーのあまりにも酷い欠如こそが嘲笑の対象であり、それがやがては日本国民を巻き添えにして国益を損なうというのが問題の本質なのである。
期せずして開幕してしまったステマ劇場。
主人公はもちろん三文役者の小泉進次郎氏。
影の立役者の驚きの経歴
進次郎氏をステマ三文役者に仕立て上げたのは、小泉陣営の広報担当の牧島かれん氏だという。
この方は、米国ジョージ・ワシントン大学大学院で〝ポリティカル・マネジメント〟を研究したようである。それなのにネット・マネジメントもろくにできないとは驚きである。
さらなる驚嘆は、なんと第1次・第2次岸田内閣でデジタル改革担当大臣の要職にあったということだ。日本国のデジタル担当大臣である。これはお粗末を超えてちょっとコワい。
この方、国内外の大学院などで学びを積み重ねた『知識派議員』といわれているらしい。その経歴をみると学歴マニアのようだが、学びを重ねて知識は豊富なのかもしれないが、知性とかそれを実践に活かすマネジメント能力は一体どうなっていたのだろうか・・・
牧島氏は今回のステマ騒動の責任を取った形で、小泉陣営の広報担当は辞したが、議員を辞めるつもりなどサラサラ無いようである。
この顛末を受けて、小泉氏は27日夜の5者討論会において「行き過ぎた表現があった」として陳謝の様相をみせたが、これそもそも〝行き過ぎ〟がどうこうという問題ではない。根底にある動機、フレームワーク、そしてマネジメントが全然なってない。どこからどこまでもアウト!なのである。先の中高生の指摘はそういうことだ。
これは、今回の総裁選における小泉陣営ぐるみの悪質な行為であると言われても仕方がない。
どうする?日本、そして小泉進次郎!
ここまで悪質な行為であるのに、他の陣営からは小泉氏をかばうかのような発言もあるし、そもそも指弾しないということ自体が馴れ合っている。
このことをしても、小泉氏のみならず、他の4人も〝解党的出直し〟など口先だけというのが見え見えである。先の石破氏のように〝とにかく総裁になりたい〟だけだ。
このまま仮に小泉氏が総裁に選ばれたとする。そうなれば、ステマ総裁→ステマ首相→ステマ内閣・・・
と、幾重にも餌食にされるステマ連鎖に日本が陥っていく…
陣営やその周辺、ひいては自民党本体がステマ地獄に堕ちていくことを救えるのは、あなた小泉進次郎氏本人しかいない。
小泉氏はこの際、総裁選をきっぱり途中辞退し、近い将来の出直しを図るほうが潔いのではないか。
そうすればまだ政治家として生き残れるかもしれないが。
関連記事
-
GX推進法の改正案がこの5月に可決され、排出量取引制度の法制化が進んでいる。教科書的には、「市場的手段」によって価格を付けるのが、もっとも経済効率が良いことになっている。 だが、日本の場合、排出量取引制度は、既存の制度に
-
3.11から7年が経過したが、我が国の原子力は相変わらずかつてない苦境に陥っており、とくに核燃料サイクルやバックエンド分野(再処理、プルトニウム利用、廃棄物処分など)では様々な困難に直面している。とりわけプルトニウム問題
-
1月は地球の気温が急降下した。1991-2020の平均値とほとんど同じ(+0.03℃)になった。 データは衛星観測によるもの。図の見方は以前の記事を参照してください。 このデータは元NASAの衛星観測の第一人者ロイ・スペ
-
日本の自治体も参加するスマートシティ 元ゲリラ活動家の左派大統領、ダボス会議で資本主義否定のスピーチに引き続き、ハートランド研究所の動画“In the Tank”第382回ならびにダボス会議のセッション「Bold New
-
温暖化ガス排出削減目標、国・地域の8割未提出 COP30まで2カ月 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局によると、10日時点で35年時点の削減目標を含むNDCを提出したのは日本や英国、カナダなど28カ国にとどまっ
-
IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 地球温暖化による大雨の激甚化など起きていない。 今回のI
-
トランプ政権は、バイデン政権時代の脱炭素を最優先する「グリーンニューディール」というエネルギー政策を全否定し、豊富で安価な化石燃料の供給によって経済成長と安全保障を達成するというエネルギードミナンス(優勢)を築く方向に大
-
明るいニュースは米国から:大学に新設されるマイクロリアクター 最近届いた明るいニュースでは、米国の大学構内に研究用のマイクロ原子炉が新設されるという。 今年4月2日に、米国のナノ・ニュークリア・エナジー(NANO Nuc
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間
















