トランプの公約③:急進左翼のESG投資から米国人を守る
「もしトランプ」が大統領になったら、エネルギー環境政策がどうなるか、これははっきりしている。トランプ大統領のホームページに動画が公開されている。
全47本のうち3本がエネルギー環境に関することだから、トランプ政権はこの問題を重要視していることが分かる。今回は第3回目。
(前回:トランプの公約②:パリ協定は離脱しエネルギードミナンスを達成する)
【動画】トランプ大統領、急進左派のESG投資から米国人を守るために先頭に立ち続ける
ポイントは、「ESG投資は左翼的な価値の押し付けであり、儲からない詐欺的な投資であり、人々からお金を預かる年金基金などの無駄遣いだ。政府の資金運用においてESG投資を禁止する」というものだ。
以下、抄訳を付けておこう。
私は大統領として、ウォール街や雇用主が政治的な理由で、いわゆるESG(Environmental, Social, and Governance)投資に401Kや年金、退職金口座を投入することを禁止する歴史的な規則を発布したことを非常に誇りに思っている。この人たちは病気だ。このようなパフォーマンスの悪い詐欺まがいの金融商品は、急進的な左翼のゴミであり、本来は全く商品として成立しないものだ。
ESGのスキーム全体が、あなたの退職金を急進左翼の狂人に流すように設計されている。私のリーダーシップの下で発行された規則は、世界初のESG禁止規則となった。そして、議会や全米の共和党議員がこの脅威に目覚め、私の指導に従うようになったことを嬉しく思う。
残念なことに、ジョー・バイデンは私のESGルールにメスを入れ、今や彼の労働省のファンド・マネジャーは、高齢者が苦労して稼いだ貯蓄を原資に政治的な駆け引きができると宣言した。バイデンはすでに401Kをつぶしてしまった。私がいたころの401Kを見てみると、ロケットのようにまっすぐ上がっていた。だが今、彼らはそのロケットを墜落させている。
年金や退職金口座は、彼の過激さと無能さによって、大きく崩れ去ろうとしている。彼の行動によって、あるいはこの行動によって、彼はあなたのお金を、あなたを犠牲にして偏狭な左翼の義に資金提供するために使おうとしているのだ。
その代償を払っているのがあなた方であり、それが私たちの国を破壊している。私がホワイトハウスに戻ったら、大統領令に署名し、議会の支持を得て、アメリカの退職金口座から政治を永遠に遠ざける法律を制定する。
私は、資金が彼らを助けるためではなく、あなたを助けるために投資されることを要求する。急進的な左翼共産主義者を助けるためではない。私は再び、以前と同じように、目覚めた左翼から高齢者を守る。彼らは国を滅ぼす。
■

関連記事
-
アメリカのトランプ大統領が、COP(気候変動枠組条約締約国会議)のパリ協定から離脱すると発表した。これ自体は彼が選挙戦で言っていたことで、驚きはない。パリ協定には罰則もないので、わざわざ脱退する必要もなかったが、政治的ス
-
今年の7~8月、東京電力管内の予備率が3%ぎりぎりになる見通しで、政府は節電要請を出した。日本の発電設備は減り続けており、停電はこれから日常的になる。年配の人なら、停電になってロウソクで暮らした記憶があるだろう。あの昭和
-
1.広域での“最大”と局所的な“最大”とは違う 2012年8月(第一次報告)及び2013年8月(第二次報告)に公表された国の南海トラフ巨大地震の被害想定や、それを受けて行われた各県での被害想定においては、東日本大震災の経験を踏まえ、広域対応を含めた巨大地震に対する対策を検討するために、「発生頻度は極めて低いが、発生すれば甚大な被害をもたらす、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波を想定する」という考え方に基づき、「最大クラス」の被害をもたらす巨大地震の被害想定がなされている。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギー・環境問題のバーチャルシンクタンクであるGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
国際環境経済研究所主席研究員 中島 みき 4月22日の気候変動サミットにおいて、菅総理は、2050年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標として、2030年度の温室効果ガスを2013年度比で46%削減、さらには50%
-
国内の原発54基のうち、唯一稼働している北海道電力泊原発3号機が5月5日深夜に発電を停止し、日本は42年ぶりに稼動原発ゼロの状態になりました。これは原発の再稼動が困難になっているためです。
-
前回お知らせした「非政府エネルギー基本計画」の11項目の提言について、3回にわたって掲載する。まずは第1回目。 (前回:強く豊かな日本のためのエネルギー基本計画案を提言する) なお報告書の正式名称は「エネルギードミナンス
-
資本主義永続としての「脱成長」のロジック 『資本論』のドイツ語版からの翻訳とフランス語版からの翻訳のどちらでも、第1巻の末尾で「資本主義的所有の最後の鐘が鳴る。今度は収奪者が収奪される」(マルクス、1872-1875=1
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間