今週のアップデート - 志賀原発、活断層問題の混乱(2015年10月19日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
1) 北陸電力志賀原発、原子力規制委員会による活断層「騒動」の異常
原子力規制委員会の有識者会合は7月北陸電力志賀原発の1号原子炉の建屋の下に活断層がある可能性を指摘しました。現地を視察しましたが、有識者会合の主張はかなりおかしなものでした。そのルポと解説です。
池田信夫アゴラ研究所代表の解説。岡山大津田氏が、甲状腺癌が増えているという情報を拡散していますが、誤りの多いものです。どのメディアも、取り上げていませんが、海外で拡散してしまいました。
ジャーナリストでGEPR編集者の石井孝明のコラム。北海道大学大学院の奈良林直教授に原発推進をやめなければ殺すと脅迫電話がありました。これは広く告知されれば、犯罪を抑止すると思われます。
今週のリンク
NHK解説委員室10月16日、水野倫之解説委員の「時論公論」という番組です。九州電力川内原発の2号機が16日に稼働しました。責任の所在など、残された問題をまとめています。
ガーディアン10月16日記事。英国が25年ぶりに同国で5基の原発を建設中です。計画では仏アレバの技術が使われ、中国企業の資金提供が行われます。これを認めた保守党に対して、野党の労働党が疑問を示しているという内容です。過激な主張をする労働党コービン新党首は、そもそも反原発です。ただし、その懸念は当然と言えるでしょう。原題は「Nuclear deals with China could endanger UK national security, says Labour」。
原子力委員会メールマガジンの、岡芳明委員長のコラムです。東大、早稲田大で、原子力の教職についたゆえに、原子力の研究と大学、そして政策の連携がないという問題点が、興味深く語られています。
4)28年前のスケッチに固執、根拠希薄な「活断層」 志賀原発の評価書案 新データは考慮せず
産経新聞7月18日記事。志賀原発の活断層判断のおかしさについての解説です。
5)核合意、最も困難な局面に-どのようにイランに履行させるか
ニューヨークタイムズ10月17日記事。イランの核兵器合意から3ヶ月。核兵器は濃縮ウラン、プルトニウムから作られます。イランはウランの遠心分離機の国外撤去、プルトニウム生産炉の破壊を約束しました。イランは制裁が解除されれば、国外資産1000億ドルが使え、原油の輸出が再開されるため、履行に積極的です。しかし、ごまかすのではないかという懸念が米国の有識者、政治家に広がっています。NYタイムズは合意賛成の立場です。原題は「Now the Hardest Part: Making the Iran Deal Work」。

関連記事
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。毎週月曜日更新ですが、編集の事情で今回水曜日としたことをお詫びします。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
原発は「トイレのないマンション」とされてきました。使用済みの核燃料について放射能の点で無害化する方法が現時点ではないためです。この問題について「核燃料サイクル政策」で対応しようというのが、日本政府のこれまでの方針でした。ところが、福島第一原発事故の後で続く、エネルギーと原子力政策の見直しの中でこの政策も再検討が始まりました。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
「ポスト福島の原子力」。英国原子力公社の名誉会長のバーバラ・ジャッジ氏から、今年6月に日本原子力産業協会の総会で行った講演について、掲載の許可をいただきました。GEPR編集部はジャッジ氏、ならびに同協会に感謝を申し上げます。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「グローバルエナジー・ポリシーリサーチ(GEPR)」は、12年1月1日の開設から1周年を経過しました。読者の皆さまのご支援、ご支持のおかげです。誠にありがとうございます。
-
米国シェールガス革命に対する欧州と日本の反応の違いが興味深い。日本では、米国シェールガス革命によって日本が安価に安定的に燃料を調達できるようになるか否かに人々の関心が集中している。原子力発電所の停止に伴い急増した燃料費負担に苦しむ電力会社が行った値上げ申請に対し、電気料金審査専門委員会では、将来米国から安いシェールガスが調達できることを前提に値上げ幅の抑制を図られたが、事ほど左様に米国のシェールガス革命に期待する向きは大きい。
-
村上さんが委員を務める「大阪府市エネルギー戦略会議」の提案で、関西電力が今年の夏の節電期間にこの取引を行います。これまでの電力供給では、余分に電力を作って供給の変動に備えていました。ところが福島の原発事故の影響で原発が動かせなくなり、供給が潤沢に行えなくなりました。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間