今週のアップデート - 原子力発電の後始末(2015年11月16日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
アゴラ、GEPRは12月8日に静岡県掛川市で、シンポジウムを行います。原子力と報道をめぐる取り組みを考察します。出演は田原総一朗(ジャーナリスト)、モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)、松本真由美(東京大学客員准教授)、池田信夫(アゴラ研究所所長)の各氏です。ぜひご参加ください。
日本では使用済み核燃料の処理問題の関心が集まっています。しかし世界の大半の国で、処分地が住民の反対などがあって決りません。フィンランドは世界で初めて、使用済み核燃料の処分場の場所を決め、操業開始を目指しています。同国の雇用経済省エネルギー局次長のヘルッコ・プリット氏が10月来日したのを機に、取り組みを聞きました。
原子力発電の使用済み核燃料問題で、核燃料サイクルを行う日本原燃の六ヶ所村の工場を訪問しました。この問題は解決にはいたりませんが、対策によって、時間的な余裕はできています。「トイレなきマンション」論は誤りです。
高速増殖炉もんじゅの存続が危ぶまれています。現状の問題をまとめました。
今週のリンク
1)(時時刻刻)もんじゅ最後通告 新たな運営主体探し困難 規制委勧告
朝日新聞11月14日記事。(WEBは有料)。もんじゅへの勧告をめぐり、動揺する文科省、原研、福井県現地の状況を伝えています。
朝日新聞11月14日記事。(WEBは有料)高速増殖炉についての分かりやすい、短い解説です。
3)次世代型の再処理工場の誕生で廃棄物は地中深く保管する必要がなくなる
スプートニク(ロシア政府系通信社)11月11日記事。ロシアの核燃料の再処理工場経営者のコメントです。技術の内容は不明ですが、再処理工場の進化を自賛しています。国際的にもロシアの再処理技術は高いと評価されています。
4)独善だった日本の規制 審査の仕組み、機能不全 元原子力安全委委員長 班目春樹氏
日本経済新聞11月9日記事。福島原発事故当時、原子力安全委員会の委員長だった斑目春樹氏へのインタビュー。過去の反省、そして今の規制への忠告が語られています。
GIZMODO10月29日記事。東京モーターショー2015が11月8日閉幕しました。そこに登場した環境車の写真一覧。各社がさまざまな技術を検討していることが分かります。本命は電気自動車とハイブリッド車でしょうか。
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脱原発が叫ばれます。福島の原発事故を受けて、原子力発電を新しいエネルギー源に転換することについて、大半の日本国民は同意しています。しかし、その実現可能な道のりを考え、具体的な行動に移さなければ、机上の空論になります。東北芸術工科大学教授で建築家の竹内昌義さんに、「エコハウスの広がりが「脱原発」への第一歩」を寄稿いただきました。竹内さんは、日本では家の断熱効率をこれまで深く考えてこなかったと指摘しています。ヨーロッパ並みの効率を使うことで、エネルギーをより少なく使う社会に変える必要があると、主張しています。
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東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所を5月24日に取材した。危機的な状況との印象が社会に広がったままだ。ところが今では現地は片付けられ放射線量も低下して、平日は6000人が粛々と安全に働く巨大な工事現場となっていた。「危機対応」という修羅場から、計画を立ててそれを実行する「平常作業」の場に移りつつある。そして放射性物質がさらに拡散する可能性は減っている。大きな危機は去ったのだ。
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