今週のアップデート - 日本の石炭火力は悪か(2016年6月6日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
1) オックスフォード大の石炭火力座礁資産化論に異議あり(上)
2) オックスフォード大の石炭火力座礁資産化論に異議あり(下)
英国で日本の石炭火力にクローズアップした研究論文が出ました。これについて、東京大学教授の有馬純さんがまとめました。批判だけではなく、最近の石炭火力をめぐる議論を踏まえ、問題を分析する内容になっています。ぜひご一読ください。
言論アリーナで、もんじゅについてまとめました。東工大の澤田哲生さん、アゴラ研究所の池田信夫さんの対談。前者は肯定、後者は研究施設への衣替えを主張しています。
一般投稿で早稲田大学の学生の寄稿です。理科大教授の橘川氏の著書を、適切にまとめています。
今週のリンク
英フィナンシャルタイムズ5月12日記事。日経の翻訳。今回の有馬氏の論考に取り上げられました。日本の石炭火力の増加についての批判的記事です。しかし内容の検証が必要です。
2)原子力ルネッサンスをめぐるスタンフォード大の議論−聴衆の意見変わらず
ニューヨークタイムズ電子版6月3日記事。原題は「Stanford Audience Unmoved by an Informed Debate Over the Need for a Nuclear Renaissance」。米国では原子力をめぐる冷静な議論が行われているようです。スタンフォード大で、著名な研究者を集めて原子力ルネッサンスと呼ばれる原子力の拡大の是非について議論が行われました。肯定と懐疑は半々だったようです。
3)米エクセロン社:クリントンとクアド・シティーズ両発電所の早期閉鎖決定
日本原子力産業協会ニュース6月3日記事。米国ではガスとの競争で、老朽化した原発がコスト面で勝てなくなっているようです。ただこれは、シェールガス革命の恩恵を受ける米国だけに当てはまる話です。
4)米国「核のごみ」最終処分地選定「早期対話を」OECDチームが提言
産経新聞5月30日記事。OECDの専門家が使用済み核燃料の処分をめぐり、日本を調査しました。プロセスを妥当と評価したものの、対話の早期化を勧告。ただその対話が政治的になかなか進められません。
5)長期エネルギー需給見通しを前提としたアデカシー確保に関する定量的評価
電力中央研究所ディスカッションペーパー5月16日公表。永井雄宇研究員。電力自由化と需給見通しに基づき資産したところ、投資回収に応じた十分なエネルギーが確保できない可能性が示されています。電力・エネルギー自由化での設備の確保問題について、まだ手つかずのところがあり、真剣な議論が必要です。

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GEPRの運営母体であるアゴラ研究所は映像コンテンツである「アゴラチャンネル」を提供しています。4月12日、国際環境経済研究所(IEEI)理事・主席研究員の竹内純子(たけうち・すみこ)さんを招き、アゴラ研究所の池田信夫所長との対談「忘れてはいませんか?温暖化問題--何も決まらない現実」を放送しました。 現状の対策を整理し、何ができるかを語り合いました。議論で確認されたのは、温暖化問題では「地球を守れ」などの感情論が先行。もちろんそれは大切ですが、冷静な対策の検証と合意の集積が必要ではないかという結論になりました。そして温暖化問題に向き合う場合には、原子力は対策での選択肢の一つとして考えざるを得ない状況です。
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