原発は本当に安全になっているのか?【原子力規制委員会を改革せよ1】

2016年12月09日 13:01

001

日本原電敦賀原発。規制委員会と原電が、活断層の有無で争っている

福島第一原子力発電所の事故を教訓に民主党政権下で発足した、原子力規制委員会と原子力規制庁。独立性確保の名目の下で与えられた巨大な権力を背景に、その行政活動は明らかにおかしい。法律の無視、そして科学的分析を欠いた恣意的な規制を繰り返す。

そして原子力規制の専門性、そして原発の是非という難しい問題から逃げ出した政治家、政権与党、そして経済産業省、無関心の世論が、規制委員会の悪影響を与えている。

問題点は多すぎるが、主要なものは3つだ。

 1・行政手続きが、法的根拠がなく行われていること。

2・原子力の安全審査が煩雑さのみが目立ち、合理性を欠いていること。

3・原子力発電の長期停止によって、日本経済に2012年以来、20 兆円以上の追加燃料負担が加わっていること。

以上の3点だ。アゴラは規制委員会の問題を取り上げてきた。このおかしな行政機関をつくった当時の政権与党の民主党、改革を進めず、さらに原子力再稼動の遅れを放置して国民負担を増やす自民・公明の連立政権と経産省の罪は重い。問題の認識を広げ、早急な改革が必要だろう。

 【行政手続きの問題について】

原子力規制委員会によるバックフィット規制の問題点

2014年2月24日、アゴラ所長池田信夫氏記事。原子力規制委員会は、バックフィット、規制の遡及適用を行っている。しかし、その根拠となる法令はなく、田中俊一規制委員会委員長の私的メモが根拠になっている。制度、法制上の明確化の必要を、池田氏は訴えている。

【規制の内容について】

原子力規制委員会、敦賀原発審査の闇-文書改ざん、メール削除、違法行為の疑い

2015年12月21日記事。石井孝明(GEPR編集者、ジャーナリスト)原子力規制について、非科学的な審査を積み重ねている。特に日本原電敦賀原発、北陸電力志賀原発、東北電力東通原発で、敷地内、もしくは原発下部に活断層の存在が認定され、事業者と対立状態になっている。

「御用学者」を追放したらどうなったか?

2015年3月4日記事。原子力規制委員会が、専門家をないがしろにすることで、政治活動を積極的に行う人々が、審査に参加するようになったことを伝える記事。石井孝明寄稿。

川内原発遅すぎる再稼働 安全規制はここがおかしい−「世界一」の厳格規制がもたらすリスク

2015年8月12日記事。ウェッジ。原子力規制行政が炉の装備を増やすばかりで、リスクを総合的に管理する合理性を欠いていることを指摘する記事。石井孝明寄稿。

【巨額の国民負担】

原発の再稼動に55兆円もかけてよいのか

2015年2月2日記事。元東芝の原子力部技監である諸葛宗男氏の寄稿。このままのペースだと、2038年まで正常化が続き、総額55兆円かかることを指摘している。

2016年12月9日のGEPR では、規制委の活動への疑問を示す滝波宏文自民党参議院議員、浜野喜文民進党参議院議員のインタビュー記事を掲載している。

原発立地地域に配慮する政策を−滝波議員

審査に欠ける科学的、技術的な視点−浜野議員

(石井孝明)

This page as PDF

関連記事

  • (前回:再生可能エネルギーの出力制御はなぜ必要か②) 送電線を増強すれば再生可能エネルギーを拡大できるのか 「同時同量」という言葉は一般にも定着していると思うが、これはコンマ何秒から年単位までのあらゆる時間軸で発電量と需
  • NHKニュースを見るとCOP28では化石燃料からの脱却、と書いてあった。 COP28 化石燃料から「脱却を進める」で合意 だが、これはほぼフェイクニュースだ。こう書いてあると、さもCOP28において、全ての国が化石燃料か
  • GEPRフェロー 諸葛宗男 はじめに 日本は約47トンのプルトニウム(Pu)を保有している。後述するIAEAの有意量一覧表に拠れば潜在的には約6000発の原爆製造が可能とされている。我が国は「使用目的のないプルトニウムは
  • まえがき エネルギーは食料と同じで、我々の生活に必須である。日本のエネルギー自給率は今10%にも届かないので、需要の90%以上を海外から買っている。一方食料の自給率は40%程度だが、やはり残り60%を海外に依存している。
  • 原子力災害は、家庭、職場、地域コミュニティという「場」を破壊するという意味において異質である。今次の東電福島原発事故のような大規模災害においては、金銭賠償では救済が困難な被害があり、それが被災者の生活再建を滞らせている要因であることをかんがみ、国あるいは地方自治体による地域コミュニティ再生の取り組みが、事故後早い段階においてなされる必要性、民法不法行為制度による対応とは別に、例えばダム開発における土地収用法を参考に、集落・地域の再建を図ること等を含む国による災害補償スキームを創設しておく必要性を指摘しておきたい。
  • 国際環境経済研究所所長、常葉大学名誉教授 山本 隆三 自然エネルギー財団の資料に「国家電網公司」のロゴが入っていた問題について、東京新聞は「ネット民から激しい攻撃にさらされている」として「これって「再生エネヘイト」では?
  • 先日、デンマークの政治学者ビョルン・ロンボルクが来日し、東京大学、経団連、キャノングローバル戦略研究所、日本エネルギー経済研究所、国際協力機構等においてプレゼンテーションを行った。 ロンボルクはシンクタンク「コペンハーゲ
  • 河野太郎氏の出馬会見はまるで中身がなかったが、きょうのテレビ番組で彼は「巨額の費用がかかる核燃料サイクル政策はきちんと止めるべきだ」と指摘し、「そろそろ核のゴミをどうするか、テーブルに載せて議論しなければいけない」と強調

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑