牛のゲップは地球温暖化の脅威である

2019年09月24日 11:30
アバター画像
アゴラ研究所所長

小泉進次郎環境相は国連温暖化サミットの前夜に、ニューヨークのステーキハウスに行ったらしい。彼は牛のゲップが地球温暖化の大きな原因だということを知っているだろうか。

世界の温室効果ガスのうち、メタンは15.8%(CO2換算)を占める。これはメタンの温室効果が、CO2の28倍と高いためだ。

メタンのうち最大の24%を占めるのが、消化管内発酵つまりゲップやオナラである。これは「牛、水牛、めん羊、山羊などの反芻動物は複胃を持っており、第一胃でセルロース等を分解するために嫌気的発酵を行い、その際にメタンが発生する」 からだ(国立環境研究所)。

メタンが温室効果の15.8%をもたらし、そのメタンの24%が腸内発酵だとすると、地球上の温室効果ガスの3.8%が家畜のゲップとオナラから発生することになる。これはちょっと信じられないかもしれないが、IPCCも警告している重要な問題である。

だから厳密にいうと、温室効果ガスを減らす方法は化石燃料を減らすだけではない。牛肉を食べる量を減らして家畜を減らせば、メタンの発生量は減るのだ。植物でつくった人工肉を開発するベンチャー企業もたくさん出ている。

これはBeyond Meatの牛肉なしハンバーガーだ。ニューヨークのハンバーガー屋にも売っているらしいから、スタンドプレーの好きな小泉氏は一度食べてみてはどうだろうか。

This page as PDF

関連記事

  • 東京都や川崎市で、屋上に太陽光パネル設置義務化の話が進んでいる。都民や市民への事前の十分な説明もなく行政が事業を進めている感が否めない。関係者によるリスク評価はなされたのであろうか。僅かばかりのCO2を減らすために税金が
  • その1」「その2」に続いて、経済産業省・総合エネルギー調査会総合部会「電力システム改革専門委員会」の報告書を委員長としてとりまとめた伊藤元重・東京大学大学院経済学研究科教授が本年4月に公開した論考“日本の電力システムを創造的に破壊すべき3つの理由()について、私見を述べていきたい。
  • 西浦モデルの想定にもとづいた緊急事態宣言はほとんど効果がなかったが、その経済的コストは膨大だった、というと「ワーストケース・シナリオとしては42万人死ぬ西浦モデルは必要だった」という人が多い。特に医師が、そういう反論をし
  • 経産省は高レベル核廃棄物の最終処分に関する作業部会で、使用ずみ核燃料を再処理せずに地中に埋める直接処分の調査研究を開始することを決めた。これは今までの「全量再処理」の方針を変更する一歩前進である。
  • 昨今、日本でもあちこちで耳にするようになったESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉である。端的にいうならば、二酸化炭素(CO2)排
  • 1. 寒冷化から温暖化への変節 地球の気候現象について、ざっとお浚いすると、1970~1980年代には、根本順吉氏らが地球寒冷化を予測、温室効果ガスを原因とするのではなく、予測を超えた変化であるといった立場をとっていた。
  • 山火事が地球温暖化のせいではないことは、筆者は以前にも「地球温暖化ファクトシート」に書いたが、今回は、分かり易いデータを入手したので、手短かに紹介しよう。(詳しくは英語の原典を参照されたい) まずカリフォルニアの山火事が
  • COP26は成功、しかし将来に火種 COP26については様々な評価がある。スウェーデンの環境活動家グレタ・トウーンベリは「COP26は完全な失敗だ。2週間にわたってこれまでと同様のたわごと(blah blah blah)

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑