CO2による海洋酸性化の危機が煽られて消滅した構図

Placebo365/iStock
これを告発したクラークらは、この分野で何が起きてきたかを調べて、環境危機が煽られて消滅する構図があったことを明らかにした。
下図は、「CO2が原因の海洋酸性化によって、魚類の異常行動にどの程度の影響があったか」、その結論を、「強い影響」「弱い影響」「影響無し」の3つに分けて、論文の発表年ごとに発表件数を示したものだ。

これを見ると、当初「強い影響があった」とする論文が相次いだが、やがて減少し、後から「弱い影響」「影響無し」の論文が増えていることが分かる。(2019年のデータは中途のもの)。
当初に「強い影響があった」とする論文は、実験の方法に不備があったり(今では捏造も疑われている)して、じつは不確かな知見に過ぎなかったのだが、「強い影響があった」としたがゆえに、有名論文誌に掲載され、メディアの注目も集め、大きな予算を獲得した。
だが再現実験をしてみると、実験方法の問題が発見されたり(捏造も発覚したり)して、追試をするほどに「影響なし」とする論文が増えてきた。
環境問題にはこの手の「煽られては消滅する」話が数多く思い当たる。問題を煽るとメディアにもウケて予算もつく。けれども実験や観測と突き合わせると、問題は消滅する。
クラークらは、新しく何かの「大惨事が起きる」と予言する初期の研究結果には、十分に懐疑的かつ批判的に対処した方が良い、と述べている。心に刻んでおきたい。
■
関連記事
-
1月12日の産経新聞は、「米マクドナルドも『多様性目標』を廃止 トランプ次期政権発足で見直し加速の可能性」というヘッドラインで、米国の職場における女性やLGBT(性的少数者)への配慮、『ポリティカルコレクトネス(政治的公
-
自然エネルギーの利用は進めるべきであり、そのための研究開発も当然重要である。しかし、国民に誤解を与えるような過度な期待は厳に慎むべきである。一つは設備容量の増大についての見通しである。現在、先進国では固定価格買取制度(FIT)と云う自然エネルギー推進法とも云える法律が制定され、民間の力を利用して自然エネルギーの設備増強を進めている。
-
ここ数年、夏の猛暑や冬の大雪があるたびに、枕詞のように、「これは気候変動のせいだ」といった言葉がニュースやSNSにあふれています。 桜が満開の北海道で季節外れの大雪 29日から平地で積雪の恐れ GWの行楽に影響も かつて
-
100 mSvの被ばくの相対リスク比が1.005というのは、他のリスクに比べてあまりにも低すぎるのではないか。
-
メディアでは、未だにトヨタがEV化に遅れていると報道されている。一方、エポックタイムズなどの海外のニュース・メディアには、トヨタの株主の声が報じられたり、米国EPAのEV化目標を批判するトヨタの頑張りが報じられたりしてい
-
GEPRはエネルギー問題をめぐるさまざまな立場の意見を紹介しています。環境問題のオピニオンリーダーで、UNEP・FI(国連環境計画金融イニシアティブ)特別顧問である末吉竹二郎さんにインタビューを行いました。
-
最近出たお勧めの本です。 著者のマイケル・シェレンバーガーは初めは環境運動家だったが、やがてその欺瞞に気づき、いまでは最も環境に優しいエネルギーとして原子力を熱心に推進している。 地球温暖化に関しては小生とほぼ意見は同じ
-
バズフィードとヤフーが、福島第一原発の処理水についてキャンペーンを始めたが、問題の記事は意味不明だ。ほとんどは既知の話のおさらいで、5ページにようやく経産省の小委員会のメンバーの話が出てくるが、海洋放出に反対する委員の話
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間













