CO2による海洋酸性化の危機が煽られて消滅した構図

Placebo365/iStock
これを告発したクラークらは、この分野で何が起きてきたかを調べて、環境危機が煽られて消滅する構図があったことを明らかにした。
下図は、「CO2が原因の海洋酸性化によって、魚類の異常行動にどの程度の影響があったか」、その結論を、「強い影響」「弱い影響」「影響無し」の3つに分けて、論文の発表年ごとに発表件数を示したものだ。

これを見ると、当初「強い影響があった」とする論文が相次いだが、やがて減少し、後から「弱い影響」「影響無し」の論文が増えていることが分かる。(2019年のデータは中途のもの)。
当初に「強い影響があった」とする論文は、実験の方法に不備があったり(今では捏造も疑われている)して、じつは不確かな知見に過ぎなかったのだが、「強い影響があった」としたがゆえに、有名論文誌に掲載され、メディアの注目も集め、大きな予算を獲得した。
だが再現実験をしてみると、実験方法の問題が発見されたり(捏造も発覚したり)して、追試をするほどに「影響なし」とする論文が増えてきた。
環境問題にはこの手の「煽られては消滅する」話が数多く思い当たる。問題を煽るとメディアにもウケて予算もつく。けれども実験や観測と突き合わせると、問題は消滅する。
クラークらは、新しく何かの「大惨事が起きる」と予言する初期の研究結果には、十分に懐疑的かつ批判的に対処した方が良い、と述べている。心に刻んでおきたい。
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