脱炭素やESGにとって都合の悪い内容も報道してほしい

2021年12月04日 06:20

ridvan_celik/iStock

先日、「ESG投資がインデックス投資よりもCO2を排出?」という記事を書きました。Investment Metrics社のレポートで「欧州の気候変動ファンドがMSCIワールド・インデックスよりも炭素排出量への影響が大きい」と指摘されたとブルームバーグ英語版が報じたことを紹介しました。

その後筆者がざっと検索した限りでは、ブルームバーグ日本版を含めこのInvestment Metrics社のレポートを日本語で紹介しているメディアはなさそうです。

また、先月も「G7声明の強制労働排除対象品目に言及しない国とメディア」という記事を書きました。G7貿易相会合の閣僚声明原文には強制労働排除対象品目として「太陽光、衣料品、農業」が明記されているのに、経産省もメディアも報じていないことを指摘しました。

脱炭素やESG投資にとって都合が悪い報道はなかなか出てきません。これでは企業や産業界が方向性を見誤る可能性がないでしょうか。国内メディアが役割を果たしてほしいと切に願います。

SDGsの不都合な真実-「脱炭素」が世界を救うの大嘘-』(宝島社)

This page as PDF

関連記事

  • 前稿まで、5回に渡りクーニンの「気候変動の真実 科学は何を語り、何を語っていないか?」を読み解いてきた。この本は今年3月に刊行された。 その後、今年7月末に「『気候変動・脱炭素』 14のウソ」という日本語の書が出版された
  • 台風19号の被害は、14日までに全国で死者46人だという。気象庁が今回とほぼ同じ規模で同じコースだとして警戒を呼びかけていた1958年の狩野川台風の死者・行方不明は1269人。それに比べると台風の被害は劇的に減った。 こ
  • アゼルバイジャンで開催されている国連気候会議(COP29)に小池東京都知事が出張して伊豆諸島に浮体式の(つまり海に浮かべてロープで係留する)洋上風力発電所100万キロワットの建設を目指す、と講演したことが報道された。 伊
  • 福島県内で「震災関連死」と認定された死者数は、県の調べで8月末時点に1539人に上り、地震や津波による直接死者数に迫っている。宮城県の869人や岩手県の413人に比べ福島県の死者数は突出している。除染の遅れによる避難生活の長期化や、将来が見通せないことから来るストレスなどの悪影響がきわめて深刻だ。現在でもなお、14万人を超す避難住民を故郷に戻すことは喫緊の課題だが、それを阻んでいるのが「1mSvの呪縛」だ。「年間1mSv以下でないと安全ではない」との認識が社会的に広く浸透してしまっている。
  • 需給改善指示実績に見る再生可能エネルギーの価値 ヨーロッパなどでは、再生可能エネルギーの発電が過剰になった時間帯で電力の市場価格がゼロやマイナスになる時間帯が発生しています。 これは市場原理が正常に機能した結果で、電力の
  • 先進諸国はどこも2050年ネットゼロ(CO2排出実質ゼロ)目標を掲げてきた。だがこんな目標はそもそも実現不可能であるのみならず、それを実現すべく実施された政策は電気代高騰などを引き起こして極めて不人気になり、移民問題に次
  • 筆者は1960年代後半に大学院(機械工学専攻)を卒業し、重工業メーカーで約30年間にわたり原子力発電所の設計、開発、保守に携わってきた。2004年に第一線を退いてから原子力技術者OBの団体であるエネルギー問題に発言する会(通称:エネルギー会)に入会し、次世代層への技術伝承・人材育成、政策提言、マスコミ報道へ意見、雑誌などへ投稿、シンポジウムの開催など行なってきた。
  • 12月16日に行われた総選挙では、自民党が大勝して294議席を獲得した。民主党政権は終わり、そして早急な脱原発を訴えた「日本未来の党」などの支持が伸び悩んだ。原発を拒絶する「シングルイシュー」の政治は国民の支持は得られないことが示された。

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑