英国民は脱炭素を支持。ただし金さえ払わなければ。

Eva Katalin Kondoros/iStock
英国で面白いアンケートがあった。
脱炭素政策を支持しますか? との問いには、8つの政策すべてについて、多くの支持があった(図1)。飛行機に課金、ガス・石炭ボイラーの廃止、電気自動車の補助金、・・など。ラストの1つは肉と乳製品に(地球温暖化を引き起こすから)課税!というもの。

図1
ところが、「あなたが個人として」払うとしたら? と聞いたら、様相は一変(図2)。反対(Oppose)が増える。わたしは関係ない(Not Applicable)も結構いる。

図2
要は、脱炭素は結構だが、自分がお金を払うなら反対、ということだ。
このアンケートのやり方、面白い。まず総論を聞いておいて、「で、あなたが払うとしたら?」と聞いた訳だ。日本でもやってみたらよい。
聞かれるだけでなく、実際に払うとしたら、もっと反対が増えるだろうなあ。。。
■

関連記事
-
9月29日の自民党総裁選に向け、岸田文雄氏、高市早苗氏、河野太郎氏、野田聖子氏(立候補順)が出そろった。 主要メディアの報道では河野太郎氏がリードしているとされているが、長らくエネルギー温暖化政策に関与してきた身からすれ
-
7月22日、インドのゴアでG20エネルギー移行大臣会合が開催されたが、脱炭素社会の実現に向けた化石燃料の低減等に関し、合意が得られずに閉幕した。2022年にインドネシアのバリ島で開催された大臣会合においても共同声明の採択
-
>>>『中国の「2060年CO2ゼロ」地政学的な意味①日米欧の分断』はこちら 3. 日米欧の弱体化 今回のゼロエミッション目標についての論評をネットで調べてみると、「中国の目標は、地球温暖化を2℃以下に
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 現状、地球環境問題と言えば、まず「地球温暖化(気候変動)」であり、次に「資源の浪費」、「生態系の危機」となっている。 しかし、一昔前には、地球環境問題として定義されるものとして
-
CO2が増えたおかげで、グローバル・グリーニング(地球の緑化、global greening)が進んでいる。このことは以前から知られていたが、最新の論文で更に論証された(英語論文、英語解説記事)。 図1は2000年から2
-
再稼働に反対する最も大きな理由 各種世論調査では再稼働に反対する人の割合が多い。反対理由の最大公約数は、 万一事故が起きた時の影響が大きい→事故対策が不明、 どれだけ安全になったのかが判らない→安全性が不明、 原発が再稼
-
筆者は現役を退いた研究者で昭和19年生まれの現在68歳です。退職後に東工大発ベンチャー第55号となるベンチャー企業のNuSACを立ち上げました。原子力技術の調査を行い、現在は福島県での除染技術の提案をしています。老研究者の一人というところでしょうか。
-
【概要】特重施設という耳慣れない施設がある。原発がテロリストに襲われた時に、中央操作室の機能を秘匿された室から操作して原子炉を冷却したりして事故を防止しようとするものである。この特重施設の建設が遅れているからと、原子力規
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間