東京都の太陽光パネルは大水害時に感電事故の懸念

東京都の太陽光パネルの新築住宅への義務付け条例案が6月24日までの期限で一般からの意見募集(パブコメ)を受け付けている(東京都による意見募集ホームページはこちら)。
懸念はいくつもあるが、最近気が付いた重大なことがある。
火災の際、太陽光パネルに放水すると、水を伝って感電の危険があることはよく知られるようになった。消防庁資料の冒頭だけ紹介しよう(全文はこちら):

消防の放水が問題になるぐらいだから、水害の場合にももちろん感電の危険がある。これは政府機関NEDOの資料に説明がある。これも一部だけ紹介しよう(全文はこちら):

普通の電気であれば大水害の時には送電線のスイッチを一旦切れば感電の心配はなくなるが、太陽光パネルは光が当たる限り発電を続けるので感電の危険がある。
したがって水害が起きやすい場所では太陽光パネルの設置には気を付けねばならない。東京都で特に心配なのは江戸川区だ。
江戸川区資料では、最悪の場合、最大で10m以上の浸水が1~2週間続くと警告されている。この資料は「ここにいてはダメです」という衝撃的なメッセージで話題を呼んだものだ。一部だけ紹介する(全文はこちら):

さて大規模な水害が起きた時に、太陽光パネルは感電で二次災害を起こさないのだろうか。それによって復旧が遅れたりすることは無いのだろうか。
問題はもちろん江戸川区だけに止まらない。洪水が起きかねない場所は東京都の至る所にある。太陽光パネル導入を急ぐ前に、まずは安全性の確認が必要なのではないか。
■
関連記事
-
本年1月17日、ドイツ西部での炭鉱拡張工事に対する環境活動家の抗議行動にスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリが参加し、警察に一時身柄を拘束されたということがニュースになった。 ロシアからの天然ガスに大きく依存して
-
何が環境に良いのかはコロコロ変わる。 1995年のIPCC報告はバイオエネルギーをずいぶん持ち上げていて、世界のエネルギーの半分をバイオエネルギーが占めるようになる、と書いていた。その後、世界諸国でバイオ燃料を自動車燃料
-
前稿で何でも自然災害を気候変動のせいにする政治家が増えていると書いた。データに基づかない、科学を無視した振る舞いだ。 その一方で、気候危機論者に無視され続けているデータは数多い。 いつも分かり易い図をまとめるロンボルグが
-
1.2050年カーボンニュートラル及び2030年度削減目標の実現に向け、国民・消費者の行動変容、ライフスタイル変革を強力に後押しするため、新たに「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」(仮称)を開始します。
-
日本の電気料金は高騰を続けてきた。政府は、産業用及び家庭用の電気料金推移について、2022年度分までを公表している。 この原因は①原子力停止、②再エネ賦課金、③化石燃料価格高騰なのだが、今回は、これを数値的に要因分解して
-
4月13日 ロイター。講演の中で橘川教授は「日本のエネルギー政策を決めているのは首相官邸で、次の選挙のことだけを考えている」と表明。その結果、長期的視点にたったエネルギー政策の行方について、深い議論が行われていないとの見解を示した。
-
北海道はこれから冬を迎えるが、地震で壊れた苫東厚真発電所の全面復旧は10月末になる見通しだ。この冬は老朽火力も総動員しなければならないが、大きな火力が落ちると、また大停電するおそれがある。根本的な問題は泊原発(207万k
-
10月26日(木)から11月5日(日)まで、東京ビッグサイトにて、「ジャパンモビリティショー2023」が開催されている。 1. ジャパンモビリティショーでのEV発言 日本のメディアでは報じられていないが、海外のニュースメ
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間


















