トランプの公約「エネルギードミナンス」とは何か
「もしトランプが」大統領になったらどうなるか。よく予測不能などと言われるが、ことエネルギー環境政策については、はっきりしている。
トランプ公式ホームページに公約が書いてある。
邦訳すると、以下の通りだ。
ドナルド・J・トランプ大統領のリーダーシップの下、米国は地球上でナンバーワンの石油・天然ガス産出国となり、米国のエネルギー自立を達成し、石油、ガス、ディーゼル、電力の歴史的な低コストを消費者と企業に提供した。トランプ大統領は、わが国が神から授かった豊富な石油、天然ガス、クリーンな石炭を解き放った。彼は、キーストーンXLとダコタ・アクセスのパイプラインを承認し、連邦の土地と沖合地域を責任ある石油・ガス生産のために開放し、不公平で費用のかかるパリ協定を終結させた。
ジョー・バイデンはトランプ・エネルギー革命を逆行させ、今や海外の敵国を豊かにしている。トランプ大統領は、国内のエネルギー資源の生産を解き放ち、高騰するガソリン、ディーゼル、天然ガスの価格を引き下げ、世界中の友人のためにエネルギー安全保障を促進し、社会主義的なグリーン・ニューディールを排除し、米国が再び外国のエネルギー供給者の言いなりになることがないようにする。
つまりは、バイデン政権の脱炭素政策(米国ではグリーンディールと呼ぶ)を止め、パリ協定からは離脱する。石油、ガス、石炭の何れも豊富に生産し、光熱費を下げ、友好国にも安定供給する、ということだ。
中東の紛争拡大、台湾有事の懸念などにより、日本のエネルギー安全保障状況は切迫している。
米国からのガス、石油、石炭が安定、安価に供給されるならば、日本にとっては有難いことだ。
日本政府はトランプ政権と協調して、ぜひこれを実現すべきである。
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筆者は現役を退いた研究者で昭和19年生まれの現在68歳です。退職後に東工大発ベンチャー第55号となるベンチャー企業のNuSACを立ち上げました。原子力技術の調査を行い、現在は福島県での除染技術の提案をしています。老研究者の一人というところでしょうか。
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