ポエムからステマへ…自滅する進次郎、そして自民党

2025年10月01日 06:40
アバター画像
東京工業大学原子炉工学研究所助教 工学博士

小泉進次郎候補SNSより

いつか来た道

自民党総裁選も中盤を過ぎた。しかしなかなか盛り上がらない。

5人の候補者が口を揃えて〝解党的出直し〟といっているが、その訴えが全く響いてこない。訴求力ゼロ。

理由は明確だ。そもそもこの〝解党的〟という言葉だが、随分昔から事あるごとに聞いている。

そのたびに私たちは騙されてきた思いがした——そのことが脳裏に蘇る。

なかんずくある総裁などは4半世紀も前に『自民党をぶっ潰す!』と勇ましかった。その御仁はいまだに自民党にぶら下がっている。

いつか来て悲嘆に暮れた道がまた私たちの前に拡がっている。

5人が口を揃えているが、どの口そしてどの表情からも真剣さや切羽詰まったものが全く感じられない。まるで念仏を唱えているようだ。

それに、もっとも重大なことは、解党的出直しのための具体策、具体的道筋を誰も示していないということ。いっそ本当に一度解党して出直せばいいのでは?

ポエムからステマへ——ステマ劇場開幕!

そんな退屈極まりない、まるで人をバカにしたような総裁選のさなか、小泉進次郎くんがやらかしちゃってくれた。

『ステマ劇場』だ。筋書きのない展開にワクワクする——さすが劇場型オヤジの血を受け継いだ小泉家4代目のボンボン政治家の為せる技なのかといいたいところだが、陳腐極まりない。

2つポイントを挙げたい。

① 今回は選挙権をまだ持たないが、すぐ大人になる中高生がステマ小泉を厳しく叩き始めていること

② もうひとつは、ステマ=景品表示法違反であって、選挙は対象外だという歪んだ指摘

地上波TVよりキャプチャ

地上波TVよりキャプチャ

①は言うまでもないが、若者の反感というか小泉陣営そして小泉進次郎本人のネットリテラシーのあまりの低さ、欠如感に呆れ返っているということで、これは今後の小泉氏の政治活動、政治生命にも大きく影を落とすこと間違いない。そしてさらにその矛先は他陣営や自民党総体に向けられている。

小泉氏の選挙区(横須賀・三浦半島あたり)に行くと、そこかしこに『ゼロ歳児からの政務活動報告』として、赤ちゃん連れで自身の政務活動報告会への参加がよびかけられていたが、トホホな状況を今回招いてしまった。

②は、某地上波情報番組で大々的に解説していたが、トンチンカンである。いかにも地上波らしい→視聴者を小バカにしている。問題の捉え方がまちがっている。小泉陣営のお粗末な、ある意味辟易するヤラセを〝ステマ(景品表示法違反)〟に擬しただけであって、この指摘は全く本質的でない。ポエムにならって擬しやすいワードを選んだだけだ。

本質はネットを悪用した誹謗中傷を組織的にやったということである。小泉氏への歯の浮くようなヨイショもおまけでついている。

ネット系、さらに特に中高生らからの辟易感はもはや侮蔑にも似たところがあり、小泉陣営のネットリテラシーのあまりにも酷い欠如こそが嘲笑の対象であり、それがやがては日本国民を巻き添えにして国益を損なうというのが問題の本質なのである。

期せずして開幕してしまったステマ劇場。

主人公はもちろん三文役者の小泉進次郎氏。

影の立役者の驚きの経歴

進次郎氏をステマ三文役者に仕立て上げたのは、小泉陣営の広報担当の牧島かれん氏だという。

この方は、米国ジョージ・ワシントン大学大学院で〝ポリティカル・マネジメント〟を研究したようである。それなのにネット・マネジメントもろくにできないとは驚きである。

さらなる驚嘆は、なんと第1次・第2次岸田内閣でデジタル改革担当大臣の要職にあったということだ。日本国のデジタル担当大臣である。これはお粗末を超えてちょっとコワい。

この方、国内外の大学院などで学びを積み重ねた『知識派議員』といわれているらしい。その経歴をみると学歴マニアのようだが、学びを重ねて知識は豊富なのかもしれないが、知性とかそれを実践に活かすマネジメント能力は一体どうなっていたのだろうか・・・

牧島氏は今回のステマ騒動の責任を取った形で、小泉陣営の広報担当は辞したが、議員を辞めるつもりなどサラサラ無いようである。

この顛末を受けて、小泉氏は27日夜の5者討論会において「行き過ぎた表現があった」として陳謝の様相をみせたが、これそもそも〝行き過ぎ〟がどうこうという問題ではない。根底にある動機、フレームワーク、そしてマネジメントが全然なってない。どこからどこまでもアウト!なのである。先の中高生の指摘はそういうことだ。

これは、今回の総裁選における小泉陣営ぐるみの悪質な行為であると言われても仕方がない。

どうする?日本、そして小泉進次郎!

ここまで悪質な行為であるのに、他の陣営からは小泉氏をかばうかのような発言もあるし、そもそも指弾しないということ自体が馴れ合っている。

このことをしても、小泉氏のみならず、他の4人も〝解党的出直し〟など口先だけというのが見え見えである。先の石破氏のように〝とにかく総裁になりたい〟だけだ。

このまま仮に小泉氏が総裁に選ばれたとする。そうなれば、ステマ総裁→ステマ首相→ステマ内閣・・・

と、幾重にも餌食にされるステマ連鎖に日本が陥っていく…

陣営やその周辺、ひいては自民党本体がステマ地獄に堕ちていくことを救えるのは、あなた小泉進次郎氏本人しかいない。

小泉氏はこの際、総裁選をきっぱり途中辞退し、近い将来の出直しを図るほうが潔いのではないか。

そうすればまだ政治家として生き残れるかもしれないが。

This page as PDF
アバター画像
東京工業大学原子炉工学研究所助教 工学博士

関連記事

  • 1. 洋上風力発電は再エネ発電の救世主だったはず?? 図1は、東北電力エリア内の2025年1月31日の太陽光発電と風力発電の実績値(30分間隔)です。横軸は24時間、縦軸は発電量(MW)です。太陽光発電の発電量は赤線で示
  • 「ブラックアウト・ニュース」はドイツの匿名の技術者たちがドイツの脱炭素政策である「エネルギーヴェンデ(転換)」を経済自滅的であるとして批判しているニュースレター(ドイツ語、一部英語、無料)だ。 そのブラックアウト・ニュー
  • IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 IPCC報告の「政策決定者向け要約」を見ると、北極海の氷
  • 崩壊しているのはサンゴでは無く温暖化の御用科学だ グレートバリアリーフには何ら問題は見られない。地球温暖化によってサンゴ礁が失われるという「御用科学」は腐っている(rotten)――オーストラリアで長年にわたりサンゴ礁を
  • 3.11の大原発事故によって、日本と世界は、多かれ少なかれ原発代替を迫られることとなった。それを受けて、太陽光発電などの再生可能エネルギーへのシフトで脱原発・脱化石燃料という議論が盛り上がっている。すぐには無理だが、中長期的には可能だという議論も多い。当面はやむを得ず、CO2排出量を始め環境負荷が他の化石燃料よりずっと少ない天然ガスの効率的利用を繋ぎとして使って、中長期的には実現させるという論調も多い。
  • 16日に行われた衆議院議員選挙で、自民党が480議席中、294議席を獲得して、民主党から政権が交代します。エネルギー政策では「脱原発」に軸足を切った民主党政権の政策から転換することを期待する向きが多いのですが、実現するのでしょうか。GEPR編集部は問題を整理するため、「政権交代、エネルギー政策は正常化するのか?自民党に残る曖昧さ」をまとめました。
  • 本稿は、米国のプロフェッショナル・エンジニアであるRonald Stein氏との7回目の共同執筆論文の内容を要約したものである。 Global elites who cling to green policies are
  • 今回は英国シンクタンクGWPFの記事と動画からの紹介。 2019年、Netflixのドキュメンタリー番組「Our Planet」の一場面で、数匹のセイウチが高い崖から転落して死亡するというショッキングな映像が映し出された

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑