今週のアップデート — 日本のエネルギー政策見直し、どの方向に進むべきか(2012年1月16日)
今週のコラム
福島原子力事故を受けて、日本のエネルギー政策の見直しが進んでいます。それはどのような方向に進むべきか。前IEA事務局長であり、日本エネルギー経済研究所特別顧問である田中伸男氏に「日本のエネルギー政策見直しに思う」というコラムを寄稿いただきました。
田中氏は2007年から2011年8月まで国際エネルギー機関(IEA)の事務局長でした。IEAは世界各国のエネルギー政策について、調査、提言を行う国際機関です。田中氏は日本のエネルギー体制の強みと弱みを指摘した上で、日本人を励ましています。
GEPR編集部はコラム「原爆の被害者調査からみた低線量被曝の影響 — 可能性の少ない健康被害」を提供します。
広島、長崎の原爆被害者の50年以上にわたる医療検査結果があります。がん、白血病について結果をまとめました。100mSv以下の低線量被曝ではがん、白血病などの健康被害の可能性は少ないという結果が、50年以上にわたる調査で示されています。
この研究は「最近の線量推定変更方式ががん死亡リスクに与える影響」(要旨)を参考にしました。日本語要旨、英文です。
論文と報告書
読者の皆さまの関心を集めている低線量被曝問題の論文について紹介します。
その1・日本の原発の作業員に、これまで健康被害が広がったという「うわさ」が社会の中にあります。そのような事実はありません。原子力発電所作業従事者について健康影響の調査が各国で行われています。
放射線影響協会「原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査(第Ⅳ期調査 平成17年度~平成21年度)」ではその結果を紹介しています。
この報告では同期間に20万3904人に調査をしました。1人当たりの平均累積線量は 13.3mSvでした。ところが健康被害は観察されていません。
その2・「高自然放射線地域住民の健康調査」を公益財団法人体質研究会(京都)は提供しています。
世界には自然高線量放射線の放射線地域があります。年間照射量ではラムサール(イラン)の平均10.2mSv、最高260mSv、ガラパリ(ブラジル)平均5.5mSv、最高35mSv、ケララ(インド)平均3.8 mSv、最高35mSvなどです。ちなみに日本は0.46mSv、最高1.26mSvです。これらの地域で放射線による健康被害は観察されていません。
ニュース
英国の経済誌エコノミストは、「原発事故の教訓:福島のブラックボックス」(邦訳・JBpress)という辛辣な批判記事を掲載しました。「危険なほど緊迫感が欠けている」と、政府、東電の姿を批判しました。
「パストゥール通信2012年新春号:特集放射能とがん」。
同会の研究者がチェルノブイリなどで出た各国への影響の解説、また放射線によるがん発生のメカニズムを一般向けに解説しています。
関連記事
-
スペイン政府の初動説明:停電の概要と初期分析 2025年4月28日に発生したスペインおよびポルトガルにおける広域停電から2週間が経過し、スペインのサラ・アーゲセン環境移行大臣が初めて公に説明を行いました。発表内容は以下の
-
「それで寿命は何秒縮む」すばる舎1400円+税 私は、2011年の東京電力福島第1原発事故の後で、災害以降、6年近く福島県内だけでなく西は京都、東は岩手まで出向き、小学1年生から80歳前後のお年寄まで、放射線のリスクを説
-
政府の第6次エネルギー基本計画(案)では、2030年までにCO2排出量を46%削減する、2050年までにCO2排出を実質ゼロにする、そのために再生可能エネルギーによる不安定電源を安定化する目的で水素発電やアンモニア発電、
-
「カスリーン台風の再来」から東京を守ったのは八ッ場ダム 東日本台風(=当初は令和元年台風19号と呼ばれた)に伴う豪雨は、ほぼカスリーン台風の再来だった、と日本気象学会の論文誌「天気」10月号で藤部教授が報告した。 東日本
-
世耕経産相は「EV(電気自動車)の潮流は拡大してきているが、いきなりEVにいけるわけでもない」と述べ、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)などいろいろな次世代自動車がある中で「戦略的によく考えて中長期
-
米国のプロフェッショナル・エンジニアであるRonald Stein氏と、3度目の共同執筆を行ったので、その本文を紹介する。 Net Zero emission ideologies is destructive to f
-
今月末からCOP26が英国グラスゴーで開催される。もともと2020年に開催予定だったものがコロナにより1年延期しての開催となったものである。 英国はCOP26の開催国となった時点から鼻息が荒かった。パリ協定の実施元年にあ
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 最近流れたニュース「MITが核融合発電所に必要となる「超伝導電磁石の磁場強度」で世界記録を更新したと報告」を読んで、核融合の実現が近いと思った方も多いかと思うが、どっこい、そん
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間
















