石炭叩き真最中の日本を尻目に米国は石炭の輸出ブーム
コロナ後の経済回復を受けて米国で石炭ブームになっている。米国エネルギー省の見通しによると、今年の石炭生産量は6億1700万トンに上り、1990年以降最大になる見通しである(p47 table 6)。
更に、アジアでの旺盛な石炭需要の伸びを受けて、米国の輸出量はコロナで低迷した2020年の6910万トンから、2021年は8380万トン、2022年には9910万トンへと伸びる見通しである(図は四半期ごとの石炭輸出量予測。単位は100万トン)。

これは日本の年間石炭消費量の半分以上の量だ!
日本は米国バイデン政権に圧力を掛けられて海外の石炭事業から撤退したり国内の石炭火力発電を減らしたりしているが、そのアメリカが結構な量の石炭輸出を続けているなんて、何かおかしくないか?

ArturNyk/iStock
日本だって経済や安全保障といった国益が懸かっているのだから、おめおめ言いなりになっている場合ではない。
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